初期費用ゼロの住宅太陽光を展開、関西電力と京セラが新会社設立へ太陽光

関西電力と京セラが住宅向け太陽光発電事業を展開する新会社を共同出資で設立。ユーザー側に発電設備などの設置初期費用がかからない、第三者所有モデルの住宅太陽光発電サービスを2019年秋から展開する。

» 2019年03月28日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 関西電力と京セラは2019年3月27日に会見を開き、住宅向け太陽光発電事業を展開する新会社を共同出資で設立すると発表した。新会社の名称は京セラ関電エナジー合同会社(以下、京セラ関電エナジー)。ユーザー側に発電設備などの設置初期費用がかからない、第三者所有モデルの住宅太陽光発電サービスを2019年秋から展開する計画だ。

 京セラ関電エナジーの資本金は1000万円。出資比率は京セラが51%、関西電力が49%となっている。設立日は2019年4月1日で、京都市の京セラ本社内に本拠を置く。

 同社が展開するのはいわゆる「第三者所有モデル」と呼ばれる太陽光発電事業だ。このモデルでは京セラ関電エナジーが住宅に太陽光発電システムを無償で設置する。このシステムの所有権は一定期間、京セラ関電エナジー側にあり、発電した電力は同社が小売電気事業者として発電設備を設置した住宅に供給する。太陽光発電の電力が不足する場合は、系統からの電力を供給して補う仕組みだ。

 一般にこの第三者所有モデルでは、ユーザー側は設置した太陽光発電システムで発電される電力と、系統から購入する電力について、利用した分を電気料金として支払う。初期費用の負担なしで自宅に太陽光発電システムが設置してその電力を利用できる他、災害時には非常用電源としての活用も可能だ。さらに一定期間が経過すると、住宅に設置した太陽光発電システムの所有権も得ることができる。

 この事業において京セラは、同社製太陽光パネルやパワコンの納入と施工、導入後のメンテナンスなど、太陽光発電システムに関する領域全般を担当する。一方の関西電力は電力供給を担う。

 サービスの詳細な料金プランは2019年夏頃に発表する予定だ。既に日本国内においても第三者所有モデルを展開する企業が複数いる中で、「価格面でも魅力的なサービスを発表したい」(京セラ 谷本社長)としている。なお、原則として設置した住宅太陽光発電システムは10年でユーザー側に譲渡する予定とした。

 当面は関東・中部エリアの新築戸建住宅を対象にサービスを展開し、5年以内に4万件の導入を目指す。将来的には既築住宅や集合住宅や、他エリアにも展開していく方針だ。

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