CEATEC 2019 特集

京セラが軽量で曲がる太陽電池、結晶Siの採用で発電効率と耐久性も両立太陽光

京セラは「CEATEC 2019」で開発中の曲げられる太陽電池モジュールを参考出展。一般的に利用されている結晶シリコン太陽電池を採用し、湾曲可能かつ軽量という特性と、発電効率や耐久性の両立を可能にしているのが特徴だという。

» 2019年10月17日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 京セラは「CEATEC(シーテック)2019」(2019年10月15〜18日、千葉市・幕張メッセ)で、開発中の湾曲させることが可能なフレキシブル結晶シリコン太陽電池モジュールを参考出展した。軽量かつ曲げられるという特性により、一般的な太陽電池を設置できなかった場所への取り付けが可能になるという。

開発中のフレキシブル結晶シリコン太陽電池モジュール。3D曲面加工も可能打という

 湾曲が可能な薄型の太陽電池としては、有機系の薄膜型や、アモルファスシリコンを採用した太陽電池がある。一方、京セラが開発を進めているのは、広く普及しているのと同じ結晶シリコンタイプでありながら、薄型かつ湾曲可能という太陽電池モジュールだ。一般的な結晶シリコンを採用することで、コストと効率の面で有利というメリットがあるという。

 開発している太陽電池は、厚みを同社の既存の太陽電池製品の10分の1以下となる11.5mm、1平方メートル当たりの重量を4分の1以下の2.5kg/m2とした。さらに太陽電池の表面を覆う素材を、一般に利用されるガラスではなく、樹脂製とすることで湾曲を可能にしている。発電効率は17.1%で、京セラが販売している太陽電池モジュールの発電効率(17.3%)とほぼ同等を維持。耐久性についても、JIS規格(JIS C 8918)に準拠する耐湿性を持つ(数値は全て開発中の試作品の参考値)。

 具体的な製品化などの時期は未定だが、京セラではこの開発中の太陽電池モジュールの用途として、耐荷重制限などによって設置ができなかった場所への導入などを見込むとしている。

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