第16回 スマートエネルギーWeek 特集

FIT抜本改革で転機を迎える太陽光発電市場ーーJPEA・経産省が語る今後の展望太陽光(2/3 ページ)

» 2020年02月06日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

資源エネ庁が示す、主力電源化への3つの課題

 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長の松山泰浩氏が、来賓挨拶で熱弁をふるった。太陽光発電にとって今年は「さらなる高みを目指すチャレンジの年になる」とした上で、FIT抜本見直しにおいて重要視される、主力電源化に向けた3つの課題を挙げた。

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長の松山泰浩氏

 「まず、電力という意味で他の電源に負けない、コスト面でも市場の中で一人前に競争していける、他の電源と同じような形で取り引きされるものになっていかなければならない。そのためのサービスづくり、企業づくりが非常に重要になってくる。2つめは、地域に愛される再エネでなければならないということ。その意味で、パネルの廃棄問題は、太陽光の業界としても真剣に取り組まなければならない大きな課題。地域の信頼が失われるということになっては、地域社会に再エネは根付かない。しっかりと立案し、みなさまに実行いただくことが不可欠だと考えている。そして、系統の拡充。次世代ネットワークづくりのための整備も進めていきたいと考えている」(松山氏)

 昨年、強く意識されたこととして、松山氏も自然災害に言及。「厳しい気候変動のなかで、私たちの向き合う新しいエネルギー社会において、“自立できる電源”としての太陽光、再エネというものの意義が改めて認識されている。消費と一体化した、もしくは地域と一体化した再エネというのは、我々が迎えていかなければならない道なのだと思う」と述べた。

 そして松山氏は、将来を見据えていう。「世界を見渡すとドイツ・スペインなどをはじめ、再エネの導入拡大に回帰する傾向がみられる。未来社会のノイベーションの起爆力となるものが、まさに再エネ技術であり、再エネ産業なのだと思う。しかし、個別の企業だけではなかなか難しい。これを束ねる上でJPEAの役割はますます重要になってくると思うし、私ども霞が関としても、さらなる高みを目指す取り組みを進めていきたいと考えている。将来に向けて再エネを主力電源化していき、それを太陽光が引っ張っていく、その取り組みをしっかりと後押ししていくということを申し上げて私からの言葉としたい」

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