燃料電池で電力コストを35%削減、富士通フロンテックが埼玉県で : 蓄電・発電機器
富士通フロンテックは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を埼玉県熊谷市の熊谷サービスソリューションセンターに導入し、2020年1月31日より運用を開始した。燃料電池の導入は、国内の富士通グループでは初めてとなる。
富士通フロンテックは固体酸化物形燃料電池(以下、SOFC)を埼玉県熊谷市の熊谷サービスソリューションセンターに導入し、2020年1月31日より運用を開始した。燃料電池の導入は、国内の富士通グループでは初という。
熊谷SSCに設置された燃料電池発電システム 出典:富士通フロンテック
燃料貯蔵用タンク 出典:富士通フロンテック
今回導入されるSOFCは天然ガスを燃料とするもので、定格出力は250kWとなっている。Bloom Energy Japanの燃料電池発電システムが採用された。自然災害などで電力供給が停止した際も安定した電力を確保でき、CO2 の排出量を削減できる点を特長とする。
同システムの導入により、熊谷サービスソリューションセンターの消費電力量のうち約50%を燃料電池で賄える。電力会社から必要な電力量の全てを調達した場合と比較して、CO2 排出量を2018年度比で年間約35%削減できる見込みとしている。同社グループは2013年度と比較し、GHG排出量の8%以上の削減を目標としており、同システム導入により5.2%の削減となる予定である。
見えた製造業の導入メリット、日本初の燃料電池の活用事例
軸受製造などを手掛けるポーライトは、自社工場に産業用の燃料電池システムを導入した。Bloom Energy Japanが販売する産業用燃料電池システム「Bloomエナジーサーバー」を導入したもので、都市ガスの供給エリア外で燃料電池を活用する仕組みを整えたユニークな事例だ。電力コストやCO2排出量の削減だけにとどまらない、製造業ならではの導入メリットとは?
料金値上げの不安なし、慶應大学とソフトバンクが燃料電池を採用
都市ガスを使って200kWの電力を生み出す定置型の装置「Bloomエナジーサーバー」を慶應大学とソフトバンク本社が相次いで採用した。値上げのない安価な電力を10年以上利用可能なことに加えて、電力源を系統電力とガスで二重化でき、事業継続性が高まる。
蓄電できる燃料電池、リチウムよりも大容量・安価
イスラエルの企業が「鉄」を利用した蓄電池を開発した。「米テスラのリチウムイオン蓄電池Powerpackよりも安い」と主張する。同社が採用する技術はレドックスフロー。どのような蓄電池なのか、コストや技術の特徴を紹介する。
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