初の住宅用蓄電池・パワコンをついに市場投入、ファーウェイが太陽光関連の新製品を披露太陽光(1/2 ページ)

ファーウェイは2020年11月、東京都内で新製品の展示会を開催。太陽光関連を中心に、初の住宅向け蓄電池をはじめとるする2020年の新製品を一挙に公開した。

» 2020年11月24日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

 ファーウェイは2020年11月5〜6日、明治記念館(東京都港区)において「HUAWEIデジタルパワー製品展示交流会」を開催した。パワーコンディショナーなど太陽光関連機器をはじめ、UPSソリューションやデータセンター向けなどの新製品を幅広く展示し、2日間で1000人を超す来場者を集めた。

住宅用太陽光・蓄電池市場にいよいよ参入

HUAWEIデジタルパワー事業部本部長の張巍巍氏、製品展示交流会東京会場にて

 太陽光関連分野でとくに関心を寄せられたのは、住宅用パワーコンディショナーと蓄電システムだ。ファーウェイはグローバルでトップシェアを誇るパワコンメーカーとして知られるが、これまでは産業用太陽光市場を主戦場としていた。また、太陽光をターゲットにした蓄電システムは扱ってこなかった。そのファーウェイが、今回新たに住宅用パワコン市場に参入し、しかも太陽光発電用の蓄電システムを展開し始めたとあって、実物を一目見ようと多くの人が集まった格好だ。

 デジタルパワー事業部(日本&韓国)本部長の張巍巍氏はいう。

 「住宅向けのニーズはどんどん高まっています。自家消費ソリューションとともに、太陽光発電の新しいトレンドになっていくことは間違いないでしょう。災害など万一の際の備えとなり、家計にも優しい製品の開発に力を注いできました。今回発表したソリューションは、日本市場向けに長年研究を重ねてきた成果です。

 蓄電池に関しては、既に他分野で豊富な実績を有しています。太陽光業界の方々にとっては、ファーウェイの蓄電池といっても馴染みがないかもしれませんが、UPSやスマートフォン関連の蓄電池でもトップシェアを獲得しています。今回発表した蓄電システムは、長年にわたって他領域で積み重ねてきた経験と技術を、満を持して太陽光発電分野に持ち込んだものといえます」(張氏)。

火災を防ぐ、住宅向けパワコン「SUN2000-4.95KTL-JPL1」

 ファーウェイが住宅用市場に投入したパワコンは、“火災を防ぐ”という点が大きな特徴となっている。AIを活用したAFCI(アーク故障回路遮断)機能が搭載されていて、太陽光に起因する火災を未然に防いでくれるという。これは火災の原因となる危険なアーク放電を検出し、0.5秒以内に異常な回路だけをシャットダウンし、システムの安全性を確保するというものだ。

火災を防ぐ、住宅向けパワコンSUN2000-4.95KTL-JPL1

 重さ19kg、幅365×高さ649×奥行159mmという軽量コンパクトな筐体は、設置スペースが限られた住宅用には大きなメリットだ。このサイズならワンマン設置も可能であり、導入時の作業性はきわめて高い。さらに、ファーウェイ製パワコンの特長である自然空冷(ファンレス設計)により、静粛性も抜群。ファンという駆動部がないため、故障リスクも低いという。

蓄電池は連結が可能、最適なモジュール容量を選べる

 蓄電システムも、パワコン同様に軽量コンパクトであることに驚かされる。1台5kWhの蓄電池モジュールを縦に複数台連結することができる。連結するモジュール数により、5kWh、10kWh、15kWhと最適容量の蓄電システムを構築することが可能なのだ。

連結できる、蓄電システムLUNA2000シリーズ

 新しい蓄電池モジュールと古い蓄電池モジュールが混在していても互いに影響を受けないので、数年後にモジュールを増やすこともできるという。家族が増えたり、ライフスタイルの変化に対して、柔軟に対応できる蓄電システムとなっているのだ。停電を感知すると5秒以内に自立運転モードに切り替わるので、万一の災害時にも心強い。

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