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» 2021年05月12日 19時00分 公開

電力需要家の「VPP構築」と「市場取引」を支援、エネチェンジが英企業と提携太陽光

ENECHANGE(エネチェンジ)は2021年5月10日、100%子会社であるSMAP ENERG通じ、英国でVPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)サービスを手掛けるKiwi Powerと業務提携契約を締結したと発表した。エネチェンジが一定期間の独占販売権を持つかたちで、日本国内の自家用発電機や蓄電池など、電力の需給調整が可能な分散型エネルギーリソースを持つ需要家に対し、Kiwi PowerのVPPサービスを提供する。

[スマートジャパン]

 ENECHANGE(エネチェンジ)は2021年5月10日、100%子会社であるSMAP ENERG通じ、英国でVPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)サービスを手掛けるKiwi Powerと業務提携契約を締結したと発表した。エネチェンジが一定期間の独占販売権を持つかたちで、日本国内の自家用発電機や蓄電池など、電力の需給調整が可能な分散型エネルギーリソースを持つ需要家などに対し、Kiwi PowerのVPPサービスを提供する。

 電力系統は常に需要と供給を一致させる必要がある。そこで、電力需要の変化に合わせて、発電設備や蓄電池などを制御し、供給力を調整するために必要な電力を「調整力」と呼ぶ。調整力の確保に向けた制度設計も進んでおり、日本国内では2021年4月に需給調整市場がスタートした他、2024年には容量市場の開設が予定されている。

 また、出力変動の大きい再生可能エネルギーの普及拡大により、電力の需給調整力の確保は重要性を増している。そうしたなか、この調整力を確保する手段として、同一エリア内の発電設備や蓄電池、電力需要拠点を統合的に制御し、仮想的な1つの大きな発電所として全体の電力供給をコントロールするVPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)に注目が集まっている。

 今回エネチェンジが提携したKiwi Powerは、電力需要家向けにVPPの構築を支援するサービスの開発・提供を手掛けている。発電設備や蓄電池などに取り付ける専用のハードウェアと、それらを制御するソフトウェアを提供しており、市場取引システムとはAPI連携が可能だという。これらを利用することで、例えば大型の工場などを持つ需要家であれば、発電機、ポンプ、バッテリー、太陽光発電システムなど、自社で所有するリソースを活用してVPPを構築し、生み出した調整力を市場で取り引きして利益を得るといったことが可能になるという。

Kiwi powerのVPPサービスのイメージ 出典:エネチェンジ

 Kiwi Powerは2009年の創業で、10カ国以上でサービスを展開している。自家用発電機や蓄電池など5kW級の小型リソースから、80MW規模の大型定置型蓄電池まで幅広いリソースとの接続経験があり、これまで1GW以上の分散化電源アセットを独自開発のプラットフォームで管理しているという。

 現状、日本国内の場合、こうした調整力の取り引きを行う、いわゆるアグリゲーターの立場につくのは電力会社であることが一般的だ。しかし、ENECHANGEの代表取締役CEO を務める城口洋平氏は「海外の場合、Kiwi Powerのようなサービスを利用して、自ら調整力の取り引きを行う需要家も多い。今後日本でもこうしたニーズを持つ需要家が増えていくと見ており、そういった需要家に対してサービスを提供していきたい」と話す。

 日本国内での本格的なサービス提供開始は2022年を予定している。それに向け2021年は実証実験を行うパートナー企業の募集を行う。対象となるのは「自社顧客の夏季・冬季のピーク時の需要抑制することで容量拠出金の削減を考えている小売電気事業者」もしくは、「需給調整市場、容量市場での調整力の取引を予定している大型需要家、アグリゲーター」。

 エネチェンジでは日本国内におけるKiwi Powerの販売目標として「発電所や蓄電池など、合計100MW分のリソースが管理できるところにまでもっていきたい」(城口氏)としている。

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