太陽光は縮小し風力発電が拡大――再エネ設備市場は2035年に大きな構造変化も自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2021年06月30日 06時00分 公開
[スマートジャパン]
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再エネ導入量は2035年に200GWに近づく

 再生可能エネルギー発電システムの累計導入容量は、2020年度が8571万kWの見込み。2035年度は、2020年度見込み比2.2倍の1億9199万kWと予測している。

 内訳を見ると、太陽光発電については2020年度までの累計導入容量は6570万kWが見込まれ、導入容量全体の76.7%を占める見込みとした。2035年度でも構成比は70%を超えるという予想だ。

 一方、風力発電は2020年度が469万kWの見込み。開発に時間がかかるが大型風力や洋上風力の導入が本格化し、2035年度は同5.8倍の2741万kWにまで拡大すると予測する。

 なお、水力発電システムと地熱発電システムは開発に時間がかかり、導入ペースが緩やかであるため、長期的に構成比は低下すると予想。バイオマス発電システムは認定済み案件の導入で構成比の上昇が予想されるが、2030年度以降は低下するとしている。

 なお、再エネ発電量は2030年度に3000億kWhを突破し、2035年度には3795億kWhとなり、国内総発電量(約1兆kWh)の約40%を占めると予測。太陽光発電システムは導入コストの低下とリードタイムの短さなどから新規導入が継続し、2020年度の806億kWhから2035年度には1730億kWhまで増加し、長期的に再エネ発電量全体の45〜50%の構成比を維持するとした。

 風力発電システムは2025年度までは大型陸上風力がけん引するとみられるが、以降は洋上風力がけん引する形で発電量が増加し、2035年度には再エネ発電量全体の2割近くを占めると予想している。

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