日本企業の脱炭素化を一気通貫に支援、仏シュナイダーが専門部署を設立エネルギー管理

フランスの重電大手・シュナイダーエレクトリックが、日本企業の脱炭素化を支援する専門部署を設立。世界100カ国以上で企業の脱炭素化を支援しているノウハウを生かし、計画立案から具体的な実行、その後のモニタリングまで、一気通貫に支援するという。

» 2021年11月05日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 フランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2021年11月4日、日本市場で企業の脱炭素化に向けたサービス事業を開始すると発表した。企業の脱炭素化に求められる一連の取り組みを包括的に支援する専門事業部を立ち上げ、日本企業のカーボンニュートラルを支援する。

 シュナイダーエレクトリックは、ビルオートメーションやプロセスオートメーション、エネルギーマネジメント事業をグローバルに展開している。また、こうしたオートメーションやエネルギーマネジメントに関する知見を生かし、自社の事業活動におけるカーボンニュートラル化も積極的に進めている。

 今回、こうしたこれまでの事業で培ったノウハウを活用し、日本企業の脱炭素の支援を目的に設立したのが、エナジーサステナビリティサービス(ESS)事業部門だ。既に海外では同様の事業部を通して、大企業から中堅企業まで、100カ国以上で企業の脱炭素化の取り組みを支援しているという。

ESS事業部のグローバルでの支援実績 出典:シュナイダーエレクトリック

 新事業部では「供給」「効率化」「サステナビリティ」の3つの視点で、企業の脱炭素化の達成に向けた戦略立案から、具体的な施策の選定・実行、さらにその後の評価やさらなる省エネの推進など、一気通貫に支援を行う。

 具体的には「供給」の部分では、顧客企業のかわりに小売電気事業者との交渉を行うなど、脱炭素化に最適な電力調達の支援を行う。さらに電力調達コストに関係する関連市場の情報収集など、リスクマネジメントも行うという。「効率化」では、保有施設のエネルギー消費量の可視化といったモニタリングや、省エネに向けた施策を支援する。「サステナビリティ」では脱炭素に向けた計画立案や、SCOPE 1〜3の排出量管理などを支援する。

ESS事業部で実施する支援内容のイメージ 出典:シュナイダーエレクトリック

 こうした一気通貫の支援を行う上での基盤となるツール「EcoStruxure Resource Advisor」も提供する。これは保有施設のエネルギー消費量や排出量データなど、脱炭素に関連するさまざまな情報を統合的に「見える化」できるプラットフォーム。シュナイダーエレクトリックが展開しているIoTプラットフォーム「EcoStruxure」をエネルギー向けに特化させたものだという。

「EcoStruxure Resource Advisor」のイメージ 出典:シュナイダーエレクトリック

 ただし「ESS事業部設立の趣旨は脱炭素化を支援するコンサルティングサービスであり、自社のツールを売るためのものではない」(シュナイダーエレクトリック 日本統括代表の白幡晶彦氏)とし、他社のツールが最適であればその導入も支援するなど、あくまでも中立な立場で企業の脱炭素化を支援するとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.