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» 2022年01月07日 07時00分 公開

究極の脱炭素コミュニティへ――再エネ融通で電力自給率60%超の新街区がさいたま市に太陽光(1/3 ページ)

Looopは2021年12月、さいたま市で整備が進む「スマートホーム・コミュニティ街区(第3期)」において、地域コミュニティのための分散型エネルギーマネジメントシステム「エネプラザ」の運用を開始した。太陽光、蓄電池、EV、ハイブリッド給湯器を組み合わせた域内システムにより、60%超の年間再エネ自給率を目指す。

[廣町公則,スマートジャパン]

 さいたま市にある「スマートホーム・コミュニティ街区(第3期)」は、同市と新電力のLooopおよび住宅メーカー3社(中央住宅、高砂建設、アキュラホーム)が共同で手掛ける先進の分譲地。屋根上に太陽光パネルを搭載した戸建住宅51戸からなり、各戸で発電した電力を街区内で融通し合うことで、60%超という高い再生可能エネルギー自給率を実現する。各戸の太陽光発電を電源としてマイクログリッドを構成しており、災害などで系統電力の供給が途絶えた場合にも、街区内の電力だけで一定期間、電力供給を継続することが可能となっている。系統への依存度が極めて低いコミュニティだ。

スマートホーム・コミュニティ街区の概要(イメージ) 出典:Looop

 このエリアに導入されたLooopの「エネプラザ」は、域内のエネルギー供給からシェア、マネジメントまでを行う、地域コミュニティのための分散型エネルギーシステム。太陽光で発電した電力をその時々で融通し合うだけでなく、余った電力は蓄電池や電気自動車(EV)のバッテリーに貯めて、コミュニティ内の需要に応じて供給する。需要サイド(各家庭)に対しては、ハイブリッド給湯器の設置やダイナミックプライシング電力料金メニュー(後述)の提供などにより、総需要が総発電量に近づくよう調整・誘導を図っていく。

51戸の太陽光と蓄電システムを一元管理し、最適運用を実現

 スマートホーム・コミュニティ街区におけるエネプラザのシステム構成を詳しく見てみよう。街区全体は52区画からなり、51区画には、それぞれ太陽光パネル(4.485kW)とハイブリッド給湯器を設置した戸建住宅が建つ。残りの1区画は「チャージエリア」と呼ばれ、そこにはパワーコンディショナー、大型蓄電池(容量125kWh)、EV充放電器(出力10kW)などの電気設備が集められている。また、EV充放電器には、2台のEV(バッテリー容量40kWh)がつながれている。

4.485kWの太陽光が設置された家々が続く、街区の街並み

 電気の流れとしては、まず各戸の太陽光パネルで発電したすべての電力を、直流のままチャージエリアのパワーコンディショナーに集めて、一括して交流に変換する。そして、この交流の電気を、Looopが各戸に配電する。発電の余剰分は、チャージエリアにある大型蓄電池とEVにキープされ、夜間をはじめ発電がない時間帯などに放電され、各戸に送られる。

パワコン、大型蓄電池、EV等が設置されたチャージエリア

 屋根上の太陽光パネルはLooopの所有となっており、各家庭は自分の家の太陽光パネルで発電した電力を直接的に自家消費するのではなく、チャージエリア経由で同社から買う形となる。Looopはこの電気を「みその再エネ電気」の名称で街区内限定で供給する。

 なお、外部系統とは街区全体が一括でつながっており、街区内の太陽光や蓄電システムの電気だけでは足りない場合は、不足分を系統から調達する。ただし、各家庭は、これを意識せず、みその再エネ電気として街区内電源と区別なく使うことができる。ちなみに、系統から調達する電気そのものは再エネとは限らないが、非化石証書を活用することで実質的に再エネ100%と認められるものとなっている。

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