落差65.5メートルで1490世帯分を発電、奥飛騨に水力発電所自然エネルギー

シン・エナジーと地元企業が出資する奥飛騨水力発電が計画を進めている「一宝水第一水力発電所」の建設がスタート。有効落差65.50メートルを利用して年間4859MWhの発電量を見込んでいる。

» 2022年01月12日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 シン・エナジーは2021年12月、同社が地元企業との共同出資で設立した奥飛騨水力発電が計画を進めている「一宝水第一水力発電所」の建設を開始したと発表した。同年12月23日に起工式を開催した。稼働は2023年春頃を予定している。

起工式の様子 出典:シン・エナジー

 一宝水第一水力発電所は、岐阜県高山市奥飛騨で計画している流れ込み式の水力発電所。神通川水系高原川(別名:毛受母川)を水源として活用し、出力657kWの横軸フランシス水車発電機を活用し、有効落差65.50メートルを利用して年間4859MWhの発電量を見込む。これは一般家庭1490世帯分の年間使用量に相当する発電量だ。発電した電力は全量を再生可能エネルギーの固定買取価格制度で中部電力に売電する。

発電所のイメージ 出典:シン・エナジー

 発電所の設備設計はシン・エナジーが担当し、事業運営は奥飛騨水力発電が行う。なお、今回の発電所は2020年12月に完成した「安房谷水力発電所」に続く、同社2カ所目の小水力発電所になる。2つの発電所の合計年間発電量は、約2490世帯分に相当する約8134MWhを見込んでいる。

 2つの発電所を運営する奥飛騨水力発電は、地元企業との連携により創設(地元出資51%以上)されている他、地元産業(調査工事・土木建築工事・金融など)の優先活用、売電収益の一部を「地域振興基金」として地域に還元一定額を20年間にわたって地元に拠出(公園整備・文化活動支援)、複数地点を対象とした逐次開発(地域一貫開発)など、地域貢献を事業運営のテーマに掲げている。

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