セメント由来CO2で合成したメタンを供給、東京ガスと太平洋セメントが事業検討へエネルギー管理

太平洋セメントと東京ガスが、セメント製造工程から回収される高濃度CO2で合成したメタンを、既存のガスインフラにで供給するメタネーション事業の実現可能性調査を行うと発表した。

» 2022年03月23日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 太平洋セメントと東京ガスは2022年3月18日、セメント製造工程から回収される高濃度CO2で合成したメタンの、都市ガスインフラによる供給を目指したメタネーション事業の実現可能性調査を開始すると発表した。

 太平洋セメントは、2022年1月にNEDOのグリーンイノベーション基金事業において「CO2回収型セメント製造プロセスの開発」に採択されており、CO2回収型セメント製造プロセスならびにメタネーションシステムの開発に着手している。加えて、さらなるカーボンリサイクルの拡充を志向し、合成メタンのセメント製造工程における利用に加え、幅広く熱エネルギーとして再利用するための協業先を探してきた。

 東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」の中で「価値共創のエコシステム構築」ならびに「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げるており、他のセクターから排出されるCO2を利用したメタネーションによる合成メタンを有効活用するカーボンリサイクルの本格的社会実装に向けての協業先を探していた。

 こうした背景から今回、両社共同でセメント製造工程由来のCO2を用いた合成メタンを、将来的に東京ガスの既存都市ガスインフラで供給することを見据えたメタネーション事業の実現可能性について調査することに合意。今回の検討を契機として、セメントセクターとガスセクターのカップリングによる脱炭素社会への貢献に取り組むとしている。

両社が検討する事業のイメージ 出典:東京ガス

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