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» 2021年01月27日 06時00分 公開

大阪ガスがCO2削減技術でブレイクスルー、2030年に再エネ比率50%の新目標も省エネ機器

大阪ガスが、温暖化の要因とされるCO2を利用し、燃料となるメタンを生成する「メタネーション技術」について、キーマテリアルの大幅なコスト削減に成功。2030年の実用化を目指すという。

[スマートジャパン]

 大阪ガスは2021年1月25日、二酸化炭素(CO2)を取り込み都市ガスの原料を製造する脱炭素化技術「メタネーション」について、実現の鍵となる電解素子の実用サイズセルの試作に国内で初めて成功したと発表した。

 メタネーションとは、CO2と水素から都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術。既存の都市ガス供給網や、ガスを使用する機器・設備を引き続き利用しながら脱炭素化を図れる技術として注目されている。大阪ガスではこのメタネーション技術について、SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell)と呼ばれる固体酸化物を用いた電気分解素子を利用する手法の研究開発を進めてきた。

 従来型のメタネーション技術では、再生可能エネルギー由来の電力で水(H2O)を電気分解して取り出した水素を取り出し、これを二酸化炭素と合成してメタンを生成するプロセスを踏む。大阪ガスによると、こうした一般的なメタネーション技術のエネルギー変換効率は55〜60%だという。

 一方、大阪ガスが取り組むSOECを利用した手法では、水をCO2と同時に電気分解できる。そこで製造された水素と一酸化炭素を利用し、反応装置を利用してメタンを合成するという仕組みだ。このSOECを利用する手法のエネルギー効率は、85〜90%が期待できるという。

メタネーション技術によるメタン製造プロセスのイメージ図 出典:大阪ガス

 このようにSOECを利用したメタネーションは、エネルギー利用効率を高められるが、課題となるのがその製造コストだった。これまでのSOECは特殊セラミックスで構成されており、これがコスト高の原因となっていた。

 そこで今回大阪ガスは、耐久性のある金属を基板とし、表面を薄いセラミックス層で覆った金属支持型の構造を採用した新たなSOECを開発。これにより、高コストな特殊セラミックス材料の使用量を、従来比1割程度に削減でき、低コスト化が期待できるという。また、新型SOECは従来型に比べ、耐衝撃性が高く強じんであり、スケールアップの実現も容易としている。

今回開発に成功したSOECの概要 出典:大阪ガス

 大阪ガスは今回開発したSOECを利用したメタネーション技術について、現在はまだ基礎研究段階だが、2030年頃までに実用化したい考え。また、開発したSOECはメタン製造用途だけでなく、水素・液体燃料・アンモニア・化学品などの高効率製造にも活用可能としており、他業界との提携なども模索する方針だ。

2050年に再エネ比率50%へ

 なお、大阪ガスは同日に新たな環境ビジョンも公表。これまでの天然ガス利用拡大の取り組みに加えて、メタネーション技術の実用化による都市ガス原料の脱炭素化や、再生可能エネルギー導入を軸とした電源の脱炭素化によって、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すという。

 具体的な目標として、まずは2030年までに、他社からの調達も含め、国内外で500万kWの再生可能エネルギー電源の保有を目指す。これにより、国内電力事業における再生可能エネルギー比率を50%程度に引き上げ、年間CO2排出量を1000万トン削減する計画だ。

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