ファーウェイが太陽光の「リパワリング専用パワコン」、低コストに集中型から分散型への移行も可能に太陽光

ファーウェイがリパワリング専用のパワーコンディショナーを披露。コストを押さえながら集中型から分散型への構成が可能で、O&Mコストの低減に寄与するという。

» 2022年04月11日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 ファーウェイは「PV EXPO 2022春」(2022年3月16〜18日、東京ビッグサイト)において、リパワリング専用のパワーコンディショナーを展示した。最大入力電圧1000V、定格出力62.5kWの三相パワコン「SUN2000- 62.5KTL-NHM0(暫定名)」だ。既設のパワコンをこの製品に置き換えることで、発電量アップ(リパワリング)を見込めるという。同製品は、2022年10月頃の出荷を予定している。

展示した「SUN2000- 62.5KTL-NHM0(暫定名)」

 2012年のFITスタート以降、急速に導入拡大が進んだ太陽光発電だが、まもなく稼働10年を迎える発電所も出始め、パワコンのリプレイスを検討する発電事業者が増えてきている。残りのFIT期間の収益性を考えれば、性能が劣化したパワコンを使い続けるより、ある程度のコストをかけても、変換効率に優れた新しいパワコンに替えてしまった方が良いという判断だ。

 一方で、リプレイスを機に、かつて主流だった既設の集中型パワコンを、最新の分散型パワコンに替えようと思っても容易ではなかった。これを実現するためには、トランス関係からケーブル類まで、発電所のシステム全体を改造しなければならなかったからだ。

 ファーウェイのリパワリング用パワコンは、こうした課題に向けて、変圧器もケーブルも変えることなく、集中型から分散型への移行が可能になるという。これまで使っていた集中型パワコン1台を、分散型パワコンのメリットをもつ「SUN2000-62.5KTL-NHM0(暫定名)」複数台に置き換えることができる。

 同製品はAC終電箱の後ろにまとめて設置されることになるが、分散型パワコンの特長はそのままだ。最大変換効率は97.5%に達し、既存パワコンよりも発電量が増えるこはもちろん、「集中型と比べてO&M効率を約50%アップさせることができる」という。

 また、どこか1カ所にトラブルが生じても、発電所全体がダウンすることはなく、1つのブロックしか影響を受けない。故障をしても、トラブルの起きた部分のみを簡単に交換できるので、メンテナンス性にも優れている。この他、遠隔監視システム、スマートIV診断などにより、発電所の健康状態をトータルに把握することができ、内蔵AC・DCサージ保護など、安全性にも配慮したという。

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