“台風発電”のチャレナジー、アストモスエネルギーと資本業務提携で風車拡販へ自然エネエルギー

台風でも発電可能な風力発電システムの開発を手掛けるチャレナジーが、LPG事業大手のアストモスエネルギーと資本業務提携を結んだ。戦略パートナーとして、チャレナジーの開発する風力発電システムの販売促進や、海上輸送におけるCO2排出量の削減への活用などに取り組むという。

» 2022年05月18日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 風力発電システム開発を手掛けるチャレナジー(墨田区)は2022年5月10日、LPG事業のアストモスエネルギー(千代田区)と資本業務提携契約を結んだと発表した。戦略パートナーとして、チャレナジーの開発する風力発電システムの販売促進や、海上輸送におけるCO2排出量の削減への活用などに取り組むという。

 チャレナジーは、2014年創業の「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するテクノロジースタートアップ。一般的に普及している水平軸プロペラ式の風力発電機と異なる機構を持つ垂直軸型マグナス式風力発電機は、円筒を気流中で回転させた時に発生する「マグナス力」を利用し風車を回転させる仕組み。

 この方式により、従来のプロペラ風車の多くが最大風速25m/秒で発電停止するのに対し、マグナス風車は最大風速(10分平均)40m/秒、3秒平均での最大風速は70m/秒(3秒平均)まで耐えることができ、台風などの強風時にも発電可能だという。

チャレナジーが開発する「垂直軸型マグナス式風力発電機」の写真 出典:チャレナジー

 また、垂直軸型により風向に依存せず発電できるので、プロペラ風車のように風向きに合わせる必要がなく、激しく風向が変化しても一定の稼働率を維持できるため、設備利用率を高められるとしている。

 チャレナジーが資本業務提携を結んだアストモスエネルギーは、年間約600万トンLPG取扱量(国内輸入、国際トレーディングの合計)を持ち、これはLPG専業会社としては世界最大級の事業規模を展開している。

 今回の提携により両社は、海上輸送のCO2削減を目的としたマグナス風車の活用、マグナス風車の国内における販売促進、海外パートナーと連携した同風車の島しょ部への展開などに取り組む方針だ。

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