東京都が住宅などに太陽光発電の設置を義務化へ、条例改正へパブコメ募集を開始太陽光

東京都が住宅を含む中小建築物への太陽光発電設備の設置などを義務付ける新たな制度を設ける方針を示した。個人住宅への義務付けでなく、一定の条件を満たすハウスメーカーなどの事業者側を対象とした制度となる予定だ。

» 2022年05月31日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 東京都は2022年5月24日に開催した「第52回東京都環境審議会」において、住宅を含む中小建築物への太陽光発電設備の設置などを義務付ける新たな制度を創設する方針を決定した。「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」の改正によるもので、同年5月25日から6月24日までパブリックコメントの受け付けを開始した。

 この新制度で対象となるのは、分譲または注文住宅を供給するハウスメーカーなどの事業者、かつ年間の都内供給延床面積の合計が2万m2以上の事業者。個人住宅への義務付けでなく、この条件を満たす事業者側を対象とした制度となる。東京都の試算によると、対象となる事業者は都内大手住宅メーカー約50社で、都内年間着工数4.5万件のうち、半数程度が対象になるという。

新制度の概要 出典:東京都

 具体的には毎年度の新築供給量が住宅・非住宅に関わらず、延床面積2000m2未満の中小建物を合算した総延床面積2万m2以上の事業者ごとに、太陽光発電設備の設置の義務量を算出する。

 義務量は事業者の年間供給棟数に対し、設置可能率と1棟当たりの最低基準設置容量(2kW)をかけ合わせによる「総量」として算出する。義務量の算出基準となる設置可能率は東京都内一律で85%と設定する。ただし、島しょ部は対象外とする他、区域ごとに日照率などを考慮した設置可能率を設定する方針だ。

義務量の算定イメージ 出典:東京都

 なお、太陽光発電の第三者所有モデルやリースなど、初期費用を低減する導入方式についても義務履行の対象とする方針。

 今後パブリックコメントを募集したあと、取りまとめや答申を行い、条例改正手続きに入る計画だ。

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