「マイクロ水力発電」で浄水場を再エネ電源に、落差34.7メートルで67世帯分を発電自然エネルギー(1/2 ページ)

新潟県上越市にある「柿崎川浄水場」で、小さな水車を使う「マイクロ水力発電」を活用した発電事業がスタート。事業主体はダイキン工業の子会社でマイクロ水力発電システムを全国展開しているDK-Powerだ。

» 2022年07月26日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 新潟県上越市にある「柿崎川浄水場」で、小さな水車を使う「マイクロ水力発電」を活用した発電事業がスタートした。2022年7月15日から発電を開始している。

 発電事業の主体となるのは、ダイキン工業の子会社でマイクロ水力発電の開発を手掛けるDK-Power。同社では、ダイキン工業の空調・油圧機器の開発で培った技術を応用し、水車・発電機・コントローラーをパッケージ化した、小型で低コストのマイクロ水力発電システムを展開している。

 汎用の縦型インラインポンプと水車を組み合わせており、コントローラーを発電機と一体化することで設置面積が小さく、スペースに限りのある上水道施設などにも低コストに設置できるのが特徴だという。

DK-Powerの「マイクロ水力発電システム」 出典:DK-Power

 今回の柿崎川浄水場には、合計2機のマイクロ水力発電機を設置した。この水車と柿崎川ダムからの落差34.7メートルを利用して発電を行う仕組みだ。年間発電量は一般家庭約67世帯の消費電力に相当する235MWhを見込み、これによる年間CO2削減量は107トンに相当するという。

柿崎川浄水場に導入したマイクロ水力発電システム 出典:DK-Power

 発電した電力は、DK-Powerが再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)を利用して東北電力ネットワークに売電する。柿崎川浄水場を管理するガス水道局は、浄水場の敷地の一部をDK-Powerに貸し出し、その賃借料と売電収入の一部を合わせて、年間約70万円の収入を得られる見込みだ。

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