産総研がクリーンエネルギー技術に関する国際会議「RD20」を開催、研究機関の国際連携を加速へG20の研究機関が参加(1/2 ページ)

G20各国・地域の主要研究機関が参画するイニシアチブ「RD20」が、2023年10月に福島でシンポジウムを開催する。クリーエネルギー技術における国際的な連携活動の加速化を図る。

» 2023年09月08日 08時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

 産業技術総合研究所(産総研)は、2023年10月4日(水)〜6日(金)の日程で、福島県郡山市において「第5回RD20国際会議(クリーンエネルギー技術に関する G20各国・地域の国立研究所等のリーダーによる国際会議)2023」を開催する。これに先立ち、8月28日に説明会を行った。

 RD20とは「Research and Development 20 for Clean Energy Technologies」を意味し、世界最先端の技術開発を行うG20各国・地域の主要な研究機関が、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発の国際連携を促進するためのイニシアティブ(枠組み)。産総研はRD20の主催機関であり、事務局として運営をリードしている。

RD20を構成する研究機関。日本からは3機関が参加 出典:産総研

 RD20では、各国・地域のクリーンエネルギー技術に関連した現在および将来の問題に対する研究開発活動や経験・ベストプラクティス・アイディアを交換する機会、あるいは研究機関間での共同研究開発プロジェクト等の国際共同研究の可能性を探る機会を参加者に提供する。さらに、関連する産官学のステークホルダー間の新たなパートナーシップの深化・発展を図っている。

RD20国際会議、各国主要研究機関のリーダーが集う

 第5回RD20国際会議は、エネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京GXウィーク」の一環として実施されるもので、脱炭素・太陽光発電・CO2有効利用に関する技術的な議論を行うとともに、前回の会議で採択された「リーダーズレコメンデーション」を具現化し、国際的な連携をさらに強化することを目的とする。1日目はテクニカルセッション、2日目はリーダーズセッション、3日目はサイトビジット(招待制)が予定されている。産総研は、RD20国際会議2023の見どころとして次の6つを挙げる。

第5回RD20国際会議2023の見どころ

  • G20各国・地域の国立研究所等のリーダーが、日本の再生可能エネルギーさきがけの地をめざしている福島に集結
  • 昨年の第4回RD20国際会議で採択された「リーダーズレコメンデーション(推奨事項)」の具現化に向けた議論
  • 5回目を迎えて具体的な連携活動が本格化しており、今年はその成果の報告に期待
  • リーダーズセッションではノーベル賞受賞の吉野彰氏(産総研ゼロエミッション国際共同研究センター長)による基調講演、ラウンドテーブル・ディスカッションでは各研究機関リーダーの意見表明などを予定
  • テクニカルセッションでは、フラウンホーファー研究機構(独)のHebling氏が水素の国際展開について講演、脱炭素・太陽光発電やCO2有効利用に関する技術的な議論
  • 国内企業や現地自治体などによるパネル展示を2日間開催
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