1日目のリーダーズセッションでは、各機関のリーダーがRD20を通じた国際連携の具体的方策や活動全体について議論。2日目のテクニカルセッションでは、「脱炭素に向けた水素技術」「太陽光発電」「CO2有効利用」それぞれについて、掘り下げた発表と議論が行われる。産総研が掲げる議論のポイントは、次のとおり。
1日目と2日目に開催されるパネル展示では、カーボンニュートラルに関わる企業の製品・技術の説明や、研究者と企業との研究開発コラボ、地元自治体の環境への取り組みなどが紹介される。また、海外研究機関(独・フラウンホーファー研究機構、米・国立再生可能研究所など)によるグリーン水素に関わる研究成果や、産総研研究者によるペロブスカイト太陽電池・人工光合成・合成燃料・カーボンニュートラルシナリオなどの研究成果も展示される。地元の再生可能エネルギー関連施設や環境への取り組み、地場産業や特産物の紹介なども行われる。
3日目のサイトビジットツアー(招待制)では、カーボンニュートラルに関わる福島県の研究所や企業、東日本大震災東日本大震災遺構などを見学する。産総研福島再生可能エネルギー研究所、デンソー福島(自動車用電装部品等の製造、先進的な環境・省エネルギー技術の取り組み)、福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)、震災遺構浪江町立請戸小学校、福島東日本大震災・原子力災害伝承館などを訪れる。
RD20の活動は、こうした国際会議を開催するだけではない。国際連携が急がれる技術分野に関しては、タスクフォースを立ち上げて集中的に取り組んでいる。具体的には次の3つだ。
また、2023年7月にはフランス・プラプテルにおいてサマースクールを開催するなど、若手研究者の育成にも努めている。このサマースクールには、5大陸16ヶ国から65人の若手およびシニア研究者(講師含む)が参加した。そして、その成果として、エネルギーシステムの脱炭素化に関するRD20リーダー会議への学生による提言「国際同窓会ネットワーク」が創設された。
ワークショップも随時行っており、2023年10月には「第2回ギガトン水素ワークショップ」を産総研臨海副都心センター(東京都江東区)で開催する。水素製造技術の社会実装に向けた具体的な重要課題をFh-ISE、AIST、NREL の3機関が率直な議論を交わす場として、2019年に初開催されたものだ。今年のワークショップは、第5回RD20国際会議の直前に東京で開催し、RD20の活動として各機関が参加できるようにするとともに、議論の輪を広げることで国際連携の促進につなげていく考えだ。
なお、これらの取り組みは、前回「第4回RD20国際会議2022」のリーダーズセッションで採択された「リーダーズレコメンデーション(推奨事項)」を具体化したものでもある。2023年10月4日から開催される「第5回RD20国際会議2023」では、さらに幅広い具体策が示されることとなる。
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