近年増加の傾向にある太陽光発電設備の被災事故。台風シーズンを迎えるなか、設備の安全対策や、万が一のトラブルの際にはどのような対応を行うべきなのか。ポイントをまとめた。
近年、台風や大雨等の自然災害の頻発・激甚化や、土砂崩れの発生により、太陽光パネルの損壊・飛散や、崩落事故が複数発生している。最新の電気保安統計(2021年度)によれば、太陽光(太陽電池発電所・50kW以上)では、事故件数・事故率ともに増加傾向にあることが報告されている。
また2021年4月の電気関係報告規則の改正に伴い、太陽電池発電設備では10kW以上50kW未満、風力発電設備では20kW未満の「小出力発電設備」の事故が新たに報告対象となった(※小出力発電設備は、2023年3月より「小規模事業用電気工作物」に名称変更)。
2021年度には、太陽電池で213件、風力で7件の小出力発電設備の事故報告があり、その大半が主要電気工作物の破損事故(約97%)であり、死傷者が伴う重大な事故報告は0件であった。
また2023年3月の改正電気事業法施行により、小規模な太陽電池発電設備についても、「小規模事業用電気工作物」として、技術基準の適合維持義務が課されるとともに、基礎情報や使用前自己確認の届出対象となっている。
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