液化空気エネルギー貯蔵システムを容量市場に活用、工営エナジーが2027年度に蓄電・発電機器

工営エナジーと住友重機械工業が、液化空気エネルギー貯蔵システムの商用実証プラントを電源とする容量市場アグリゲーター契約を締結した。

» 2023年10月19日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 ID&Eホールディングスは2023年10月16日、グループ会社である工営エナジーと住友重機械工業が、液化空気エネルギー貯蔵(Liquid Air Energy Storage、LAES)システムの商用実証プラントを電源とする容量市場アグリゲーター契約を締結したと発表した。2027年度容量市場オークション応札に活用する計画だ。

 住友重機械工業が建設を予定している液化空気エネルギー貯蔵システムとは、電力を利用して圧縮・冷却して液化した空気を低圧断熱タンクに貯蔵しておき、必要に応じて再び気化し、その膨張エネルギーを利用してタービン発電機を稼働させて発電するシステム。

液化空気エネルギー貯蔵システムのイメージ 出典:住友重機械工業

 住友重機械工業が2020年2月に出資した英Highview Enterprises社が開発したシステムを活用するもので、現在、広島ガスの廿日市工場内に容量4.99MW/4hの実証プラントの建設を進めている。2025年の運転開始を予定しており、完成すれば国内初の商用実証プラントになるという。

今回の契約スキーム 出典:ID&Eホールディングス

 工営エナジーは住友重機械工業とのアグリゲーター契約(市場取引業務委託)により、同システム内で発電した電力を活用し、容量市場での市場取引を実施する。また今後、需給調整市場、卸電力市場での市場取引も見据えた包括契約を締結する予定だという。

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