ファーウェイが中国広東省東莞にある「南方工場」の一部を公開。同社の主要生産拠点であり、数多くの製品テストも行われている同工場の現地レポートをお届けする。
ファーウェイはこのほど、中国広東省東莞にある「南方工場」の屋上太陽光発電設備を、日本の一部メディアに公開した。南方工場はファーウェイ本社のある深センにほど近く、さまざまな生産ラインを有する同社主要生産拠点の一つ。太陽光発電用のパワーコンディショナーも、ここで多くが生産されている。
建ち並ぶ工場建屋それぞれの屋上に太陽光パネルが設置されており、その規模は17.5MWに及ぶ(2012年の第1期工事で4MW、2015年の第2期工事で13.5MWを導入)。年間総発電量は1700万kWhに達し、そのすべてを自家消費に回している。この太陽光発電により、南方工場で使う電力の約8%を賄っているという。
敷き詰められた太陽光パネルのかたわらには、産業用から住宅用まで各種パワーコンディショナーが並べられている。この屋上では、実際の太陽光発電設備を使って、パワーコンディショナーの信頼性試験も行っているのだ。
写真Aは、暴風雨の中でも安全稼働ができるかをテストする水圧ケース。納められたパワーコンディショナーは、2016年から現在までの7年間、この環境下でトラブルなく稼働し続けているとのこと。写真Bは、高温試験を行っているケース。真夏になると内部の温度は70℃にも達するが、やはり問題は生じていないという。
南方工場の建屋内にはGCTC(Huawei Global Compliance & Testing Centre)と呼ばれるグローバル認証試験センターもあり、凍結、温度サイクル、暴風雨、塩水噴霧、防塵(じん)、落下、落雷など、多種多様な試験を行っている。ここに紹介する屋上での試験と相まって、出荷される太陽光発電関連製品の信頼性は99.99%に達し、故障率は0.5%未満であることが実証されているという。
屋上には、一般家庭の寄棟屋根も再現されており、戸建住宅におけるオプティマイザーの効果についてもテストしている。オプティマイザーは、太陽光パネルそれぞれに付けるMLPE(Module-Level Power Electronics)デバイスであり、モジュールレベルでの最適化を実現する。ここでは、オプティマイザーの有無による発電量の違いなどを調べているという。
例えば、同じストリングに接続されているパネルに影がかかっても、オプティマイザーを搭載したパネルは、その影響を受けることなく最大限のパフォーマンスを発揮し続ける。従来のシステムにオプティマイザーを組み入れることで、太陽光パネルが相互に影響を及ぼすことがなくなり、システム全体としての発電量も大幅に向上するという。
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