現行の第6次エネルギー基本計画では、2030年度以降新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能の確保を目指すと記されている。
国土交通省が住宅トップランナー制度対象事業者に対して、供給住戸の省エネ性能に関するアンケート調査を行ったところ、建売戸建住宅では、制度対象事業者の約6割が、全供給住戸に対して既にZEH水準を標準としていることが明らかとなった。また、現在ZEH水準としていない事業者であっても、2030年度までにZEH水準以上を標準とする予定である事業者は4割を占めている。
他方、賃貸アパートでは、既にすべての住棟についてZEH水準以上を標準としている事業者は約3割と低く、2030年までにZEH水準以上を標準とする予定が無いと回答する事業者は、約4割と高い回答結果であった。
「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」取りまとめ(2021年8月)では、2030年までに新築戸建住宅の6割において太陽光発電設備(PV)を導入することを目標としていた。
そこで国土交通省では、新築戸建住宅におけるPV設置率について初めて試算を行い、2022年度は31.4%であったと報告した。ただし、試算方法等については公開されていない。
なお、資源エネルギー庁によれば、住宅用太陽光(10kW未満。既築住宅を含む)の導入件数(2022年)は約19万件であり、住宅着工統計によれば新築住宅の着工件数(2022年)は約86万軒である。
また、住宅トップランナー事業者におけるPV設置率(2022年度)は、戸数ベースで、建売戸建:8%(6,500戸/80,925戸)、注文戸建:58.4%(57,864戸/99,145戸)、賃貸アパート:21.3%(26,811戸/125,750戸)である。住宅トップランナー事業者数ベースでPV設置率を見たものが図3であり、注文戸建では設置率70%以上の事業者が3割を超えるのに対して、賃貸アパートでは設置率が低いなど、住宅種別により大きな差が生じている。
また国交省では、新築非住宅建築物(300m2以上)のPV設置率(2022年度)を8.0%と集計している。ただしこれは、非住宅WEBプログラムの計算結果から発電量を全量自家消費する場合のみを捕捉したものであるため、低めの設置率となっていることに留意が必要である。
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