第2ラウンド以降の再エネ海域利用法公募選定において、確実な事業実施が見込まれる事業計画を高く評価する観点から、リスクシナリオへの対応については事業計画の各評価項目と一体的に評価を行い、リスクシナリオへの対応が優れていなければ各項目の高評価を得られない制度としている。
現在、インフレによる調達・建設コストや人件費の高騰、設備調達・建設の遅延等のリスクが世界的に高まっており、事業規模が大きい洋上風力発電では、特に事業の不確実性が高まっている。
これらのリスク要因に対して、事業者により効果的なリスク対応を促す観点から、表2のように配点を変更することにより、リスクシナリオへの効果的な対策を高く評価する案が示されている。
再エネ海域利用法公募選定では、落札者の確実な事業実施を担保する観点から、図3のように3つの保証金が設定されている。また第2ラウンド以降、遅延を前提とした運開予定日で計画提案させないためのペナルティとして、遅延時には原則、保証金を全額没収することしている。
諸外国では、サプライチェーンのひっ迫やインフレ等の影響により、洋上風力発電事業が中断・撤退する事例が複数発生していることを踏まえ、このような事業環境下においても事業実施を担保させる効果を持つ保証金額の設定について見直しを行うこととする。
なお、デンマークやオランダでは、僅かな遅延をもって保証金を全額没収するのではなく、1ヶ月もしくは6ヶ月単位で遅延金として段階的に保証金を没収し、1年もしくは2年の大きな遅延時には全ての保証金を没収する制度としており、今後このような仕組みについても検討を行う予定としている。
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