第7次エネ基原案の2040年電源構成において「3〜4割程度」と一定の縮小が示された火力であるが、発電電力量で見ると第6次エネ基の数値よりも若干の増加が見込まれる(表2参照)。
安定供給の観点から、火力発電(その大半がタービン等の回転系)技術による発電容量(kW)を維持・確保しつつ、その燃料の脱炭素化やCCUS(CO2回収・有効利用・貯留)の活用を進めていく。
また、トランジション期における燃料としてのLNGを安定的・経済的に確保するため、資源外交や国内外の資源開発を進め、官民一体でLNGの長期契約を確保する。また、第7次エネ基では複数シナリオの一つとして、技術革新が進まずNDC実現が困難となるリスクシナリオにおけるLNG必要量も試算した(7,400万トン程度)。
CCUSは、火力発電だけでなく、熱利用分野や非エネルギー起源CO2においても活用可能な技術であり、CCS事業への投資を促す支援制度やCO2貯留地の開発等に取り組む。水素社会推進法に基づく「価格差に着目した支援」等により、水素等(アンモニア、合成メタン、合成燃料)のサプライチェーンの構築を進めていく。
エネルギーは日々の生活に密接に関わるものであり、将来のエネルギーに関する選択は、未来の選択にほかならない。このため、エネルギー政策について国民一人一人が当事者意識を持つことが何より重要であり、政府による情報公開を通じた国民各層の理解促進や双方向のコミュニケーションを充実させていく必要がある。
エネルギーに関する議論は、S+3Eの原則に代表されるように複数の価値がトレードオフの関係にあることを前提に、第7次エネ基原案では、学校におけるエネルギー教育や、若者を含む幅広い層と全国各地で丁寧な対話を行うことが重要としている。
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