広域機関では、容量市場メインオークションで約定した電源のうち、調整機能を持つものがどの程度あるかを毎年度確認している。
今回のオークションでの「調整機能あり電源」の約定容量は全国で1億1,852万kWであり、これまでのオークション(長期脱炭素電源オークション含む)における「調整機能あり電源」の約定容量などの推移は図8の通りである。全体の供給力調達量のうち、「調整機能あり電源」が占める比率は、メイン・調達オークション調達分で61.3%、長期脱炭素電源オークション調達分で0.6%であり、初回の2020年度と比べると低下傾向にある。
エリア別・電源種別に、「調整機能あり電源」約定容量の増減をまとめたものが表9である。初回2020年度との比較では、「調整機能あり電源」約定容量は1,852万kW減少しており、この内数としてLNGが691万kW減、揚水は81万kW増となっている。
また、今回の2024年度メインオークションから初めて、発電方式が「火力、水力、再生可能エネルギー(バイオマス(専焼)、バイオマス(混焼)、地熱)、およびその他(蓄電池))」の安定電源を対象に、調整機能の詳細情報の集計が行われた。落札電源のうち、現時点では調整力を供出できないが、仮に制御回線を設置すれば供出可能となる調整力設備量は、登録設備容量に対して、二次①〜三次②において、0.7%〜6.2%であることが明らかとなった。
表10を基に、落札電源の設備容量に対する調整力供出可能量の比率を表したものが図9である。(※通常、一つの電源が複数の調整力を供出可能であるため、合計値は設備容量を上回ることもある)。北海道エリアでは、設備容量と比べて一次〜三次②いずれの調整力も供出可能量が多いのに対して、東北エリアではいずれの調整力も供出可能量が少ないといった特徴がある。調整力の広域的な調達・運用が期待される。
また、落札電源と「未応札電源・非落札電源」を比べると、中国エリアでは「未応札電源・非落札電源」がゼロであるのに対して、北陸エリアでは「未応札電源・非落札電源」が189万kW(落札電源設備容量455万kWの41.5%)と、他エリアと比べて突出して大きい。未応札や非落札がある程度生じることはやむを得ないが、今後もエリアによる大きな差異が生じていないか、確認が必要と考えられる。
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