2024年度容量市場メインオークションの需要曲線と供給曲線は図2の通りである。個社情報を特定できないようにするため、供給曲線はスムージング処理が行われている。
図2の供給曲線の緑色部分は、FIT電源の期待容量1,600万kWと、石炭とバイオマスの混焼を行うFIT電源の供給力483万kWの合計2,083万kWであり、オレンジ色部分は追加オークションで調達を予定している供給力321万kW(H3需要の2%分)、灰色部分は容量市場外の見込み供給力控除量186万kW、紫色部分は長期脱炭素電源オークション契約容量(2028年度に稼働予定供給力)111万kWである。
なお、卒FIT(2027年度末までにFIT認定が終了する設備)の期待容量は96万kW(前年比17万kW増)であり、年々増加している。
表4の通り、2024年度オークションにおいて、FIT電源やその他の供給力の期待容量の合計は約2,702万kWに上る。容量市場メインオークション外での供給力に期待する比率が次第に増加しつつある。
容量市場メインオークションでは、全国約定処理後の供給信頼度を確認し、不足エリア(ブロック)で、全国の供給信頼度を満たすまで電源の追加処理を行うこととしている。しかしながら、北海道・東北・東京、九州エリアでは、不足エリアのまま追加できる電源がなくなったため、その時点で約定処理は終了された。
このため、全国の供給信頼度0.012 kWh/kW・年は、基準値0.016 kWh/kW・年を満たすものの、北海道・東北・東京、九州では基準値を上回る結果となった。
エリア別の2028年度想定需要やオークション約定容量等を比較したものが表6である。東京・中部・北陸・中国エリアでは、メインオークション約定容量がエリア内想定需要を下回っているが(「対需要」列が100%未満)、FIT電源の期待容量等を含めた調達容量としては、需要を一定程度上回っていることが分かる(全国合計では約20%超過)。
エリアによって約定容量に差が生じる理由は、容量市場を通じて供給力を広域的に他エリアから費用効率的に確保しているためと考えられる。
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