ブースではシャープが開発に取り組むペロブスカイト太陽電池も参考出展された。同社では現在、シリコンとペロブスカイト層を組み合わせたタンデム型の開発に注力している。
今回の展示では2つのタンデム型ペロブスカイト太陽電池を展示。一つが電極を共通化する2端子型(透過型)、もう一つは電極を別々にする4端子型(分割型)だ。
2端子型は単結晶シリコン層の上に直接ペロブスカイト層を構築し、両セル間は直列接続となる。理論的に30%以上の高い変換効率が期待でき、既存の結晶シリコンタイプの太陽電池の置き換えとして、住宅向けなどを想定して開発を進めているという。
一方の4端子型は、単結晶シリコン層とペロブスカイト層をそれぞれ作りやすいサイズで成形し、両セルはつながずに並列で接続する。それぞれのセルの特性を生かしやすく、光の変化に強く大面積化もしやすいため、自動車などの移動体向けの利用を想定している。
なお、今回のブースで展示したLDK+の屋根には、開発中のペロブスカイト太陽電池を搭載。こちらは車体などの曲面にも適用可能な性能をアピールした。同社では今後、用途ごとに合わせた複数のペロブスカイト太陽電池の開発を進め、早期の社会実装を目指す方針だ。
変換効率30.4%のタンデム型太陽電池、ペロブスカイト+シリコンで実現
ペロブスカイト太陽電池の政府戦略 2040年20GW導入・発電コスト10円を目標に
いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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