集合住宅における機器の「無償貸与」や、建売住宅における「無償配管」などの商習慣が問題視されているLPガス業界。「液化石油ガス流通ワーキンググループ(WG)」の第12回会合では、こうした商習慣の改善を目的に実施された法改正の効果について、現状の調査結果が公表された。
LPガス(液化石油ガス)は、可搬性に優れていること等により、家庭における主要なエネルギー源の一つとされている。近年、オール電化の普及等により、LPガス需要家数は減少傾向にあるものの、2022年3月末時点における家庭需要家数は2,173万件、世帯数の36%を賄っている。
これまでLPガス業界では、アパートオーナー等に対する「無償貸与」や「貸付配管」といった商慣行が長らく続いており、それによりLPガスの消費者が不利益を被ることが問題視されてきた。このような商慣行は、消費者によるLPガスの自由な選択を妨げ、LPガス事業者の疲弊も招いてきた。
このため、国はLPガス小売の適正化に向けて、液化石油ガス法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)に係る省令(施行規則)を2024年4月に改正した。また、改正施行規則の実効性を高めるため、「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針」(ガイドライン)及び「運用・解釈通達」を2024年7月に改正した。
資源エネルギー庁では、LPガスの商慣行是正に向けた取組状況について継続的なモニタリングを実施することとしており、「液石法等との関係で問題となる行為や望ましい考え方、取り締まり等の方針」(案)を作成した。
本年4月には、改正施行規則の柱の一つである「三部料金制の徹底」に係る規律が施行されたことから、「液化石油ガス流通ワーキンググループ(WG)」の第12回会合では、改正法令公布後1年を経た商慣行是正の現状が報告された。
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