時間前同時市場に求められる役割は、これまでと同じく、需要予測の変化に対する機動的な対応(小売電気事業者)や、再エネ電源出力予測の精緻化に伴う発電計画の調整(再エネ事業者)等があると考えられる。
これらの取引ニーズを踏まえ、同時市場の在り方検討会では、時間前同時市場を複数回開催し、SCUC(電源の起動停止、つまり電源ラインアップの策定)・SCED(各電源の出力決定)を繰り返しながら、実需給を迎えることを前提とした制度設計を進めている。
なお、時間前同時市場には、SCUC・SCEDの両方を行う「時間前UC市場」と、一旦決定した電源ラインアップを前提に、各電源の出力配分を決定するSCEDのみを行う「時間前ED市場」の2種類がある。
これまでの検討により、前日同時市場開催後、実需給の前日及び当日に時間前UC市場を3回程度開催し、時間前ED市場は1日48回のゲートクローズ(GC)のタイミングごとに48回開催(又は2コマをまとめて取引し、1日に24回開催)する案が示されていた。
時間前UC市場において発電事業者は、原則としてkWh市場とΔkW市場の両方に発電余力全量を入札する義務を負うことや、市場計画電源と自己計画電源のいずれかを選択可能であることなど、基本的には前日同時市場と同じ考え方としている。
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