CCS事業法に基づきCO2貯留事業を行おうとする者は、経済産業大臣への許可申請が必要となる。大臣は、許可基準の一つとして、申請に係る貯留区域内の遮蔽層・貯留層の地質情報に照らし、安定的にCO2が貯留されるかを審査する。
CO2地中貯留の国際規格であるISO 27914:2017では、適切な貯留サイトの選定と貯留計画の策定に向けた手順(表1)を示している。
よってCCS事業法ではこれを参考として、適切な貯留区域が決定され、貯留容量、圧入性、封じ込め能力、リスクマネジメントの観点から、安定的にCO2が貯留されることを、許可基準の一つとして求めることとする。
CO2貯留の許可を受けた事業者は、モニタリング計画、漏えい防止措置、保安措置等を記載した「貯留事業実施計画」を作成する必要がある。事業者は、主務大臣(陸域では経産大臣、海域では経産大臣・環境大臣)の認可を受けた同計画に従い、貯留事業を行わなければならない。
なおCCS事業法において、CO2の「漏えい」とは貯留したCO2が貯留区域から漏れ出ること、「漏出」とは貯留したCO2が地中から海洋や大気中へ漏れ出ること、と定義されている。
また貯留事業実施計画には、CO2の安定貯蔵を確保するための方法を記載することが求められる。
すでに海洋汚染防止法(海防法)では、海洋環境の保全の観点から、海底下へのCO2廃棄に係る詳細な計画の提出を求めているが、CCS事業法ではこれに加え、貯留区域からのCO2漏えいを発生させないという事業の健全性の観点から、地質評価及び操業計画に関する事項の記載を求めることとする。
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