CCS事業法に基づくCO2貯留事業の制度検討 閉鎖後のJOGMEC移管は10年以降に第2回「CCS事業制度検討WG」(3/4 ページ)

» 2025年10月17日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

CO2貯留の「モニタリング計画」

 CCS事業法では、貯留事業者に対して、貯留層の温度・圧力等のモニタリング義務を課した上で、貯留事業実施計画において「モニタリング計画」の作成を求めている。

 海洋環境の保全を目的とした海防法のモニタリング対象に加え、CCS事業法では、事業の健全な発達や公共の安全の確保の観点から、CO2の漏えい等を防止するため、坑井の健全性や地下の揺れもモニタリング対象とする。

表3.モニタリングの対象と項目・方法の例 出典:CCS事業制度検討WG

 また海防法では、CO2の漏えいリスクに段階的に対応するため、貯留事業の状況を「通常時」「懸念時」「異常時」に区分しており、CCS事業法でもこれと同様に、通常時・懸念時・異常時に区分したモニタリング計画の作成が求められる。

海域において貯蔵するCO2の基準

 海域においてCO2を貯留する場合、ロンドン議定書では、極めて高い割合(overwhelmingly)のCO2で構成される場合に海底下CCSを検討できるとされていることを踏まえ、海防法施行令では貯留するCO2について表4左のような基準を定めている。

表4.海防法とCCS事業法の貯留CO2基準の比較 出典:CCS事業制度検討WG

 他方、近年ではアミン類を用いた吸収法以外の分離・回収方法も検討されていることを踏まえ、CCS事業法では、アミン類を用いた吸収法に限定しないこととした。

 またCO2濃度の認可基準については、海防法と同じく原則99vol%以上とするが、CO2以外の不純物が一定の基準を満たす場合には、海洋環境の保全が図られる範囲内において、濃度基準については緩和することを可能とする。

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