近年、企業物価指数や建設工事デフレーター(電力)等の主な経済指標は上昇を続けており、発電所の新設や維持・管理に係る費用にも影響が及んでいる。
発電コスト検証WGではこれまで3回の取りまとめを公表してきたが、初回の2015年と最新の2025年のLCOE(円/kWh)の試算に用いられた電源の諸元は表4の通りである。これらの金額はインフレ率等の経済指標を用いて補正済みである。
2015年と比べ2025年では、モデルプラントの設備容量は140万kWから60万kWへと小さくなり、建設費は12.0万円/kWから26.8万円/kWへと倍増しているほか、修繕費の増加が顕著である。
広域機関がこれらのGross CONE諸元を用いて、Net CONEを仮算定したところ、Net CONEは1.01万円/kWから2.05万円/kWへと倍増することが明らかとなった。
ただし現時点、Net CONEの算定に必要となる他市場収益については、「Gross CONEの34%」という現行のルールを機械的に当てはめた試算値であり、今後の他市場収益算定方法の見直し次第では、Net CONEも変わり得ることに留意が必要である。
仮に、Net CONEを9,875円/kW(2024年度)から2万円/kWに変更する場合、上限価格も(1.5倍ルールを維持するならば)14,812.5円/kWから30,000円/kWへ上昇する。
2024年度メインオークションの実績を見ると、応札価格14,812.5〜30,000円/kWの範囲の電源の合計容量は約160万kWであるため、Net CONEの変更により、落札容量も約160万kW増加すると考えられる。これは2024年度の約定総容量1億6,621万kWの約1%に相当する規模である。
メインオークションは原則シングルプライス方式であることを踏まえ、非常に単純化した極端な仮定を置いた試算を行うならば、上限価格1.5万円/kWの上昇が2024年度約定総容量約1.6億kWのすべてに影響すると仮定すると、増加金額は約2.5兆円となり、約定総額は約5兆円となり得る。
広域機関は容量市場の包括的検証にあたり、事業者等から容量市場の見直しに向けた意見等を募る「Call for Evidence(CfE)」を2025年10月に実施した。このCfEではNet CONEについても、発電事業者や小売事業者等のさまざまな立場から、幅広い意見が寄せられている。
広域機関ではこれらの意見等を参考としながら、資源エネルギー庁や監視等委員会と連携しながら、Net CONEの見直しを含めた容量市場の包括的な検証を進める予定としている。
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容量市場の2026年度追加オークション、一部エリアは目標の供給力に届かずCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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