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» 2009年12月10日 09時00分 UPDATE

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:海外を見習え(台湾編)――レシート宝くじ

台湾は食べ物がおいしい。つい食べ過ぎてしまう。レストランで支払いをしたら、おつりと長いレシートを渡された。レシートは「統一発票」という宝くじだという。

[樋口健夫,Business Media 誠]

 台湾は楽しい。まず食べる物がおいしい。つい食べ過ぎてしまう。

 台湾のレストランで支払いを済ませたら、おつりといささか長いレシートを渡された。

 ふと見ると、支払いのカウンターの横に透明の箱が置いてある。箱の中には、レシートがいっぱい詰まっていた。不要なレシートを捨てるゴミ箱かと思った。しかし、その箱に入っているレシートは「統一発票」という台湾政府運営の“宝くじ”だという。

 レシートには8けたの番号が書かれている。特等(8けたすべて一致)は200万元(日本円にして約550万円)のほか、1等(8けたすべて一致)の20万元(約55万円)〜6等(末尾3けたの番号が1等の番号と一致)の200元(約550円)まである。レシート宝くじは2カ月分をまとめて奇数月に抽選。抽選に当たったら、抽選の日から3カ月以内に賞金に換金しなければいけないそうだ。

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 これにはなるほどなあと感心した。全国のすべての店が抽選番号の入ったレシートを購入して、すべての商売でレシートを発券しなければならない。客もこれが宝くじであるから、レシートを要求するに違いない。だから台湾政府の財務部は5%の税金を取りはぐれることがないのだ。

 外国人でも宝くじに当たれば、賞金を受け取れる。インターネットでも番号は確かめられる。そのレシート宝くじを受け取って、レジの横の箱に入れることで貧しい人に(当たったお金を)寄付することも可能だ。レシートを1枚1元(約30円)で買い集めている人もいるという。

 賞金は財務省税金の中から支払う。しかしこれを実施してから、店の脱税がなくなり、台湾政府の税収は大幅に増えたという。みんなが楽しみ、喜ぶ税制となったのだ。素晴らしい知恵である。レシートには店のロゴなどをカラー印刷することも可能だ。すぐに日本でも導入の検討をすれば良いと思うのだが。

 台湾にはレシート宝くじ以外に普通の宝くじもある。日本は現在のみずほ銀行が宝くじを発行している。第一勧業銀行からの長年のノウハウの蓄積があるとはいえ、あまりに長い期間の1つの銀行での独占は、非常に不自然だ。10年、20年と一定の年数期間に応じて競争入札を行うことも必要なのではないか。レシート宝くじとともに、楽しみを増やしてほしい。

今回の教訓

 年末ジャンボの販売は22日まで――。


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著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。近著は「仕事ができる人のアイデアマラソン企画術」(ソニーマガジンズ)「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちらアイデアマラソン研究所はこちら



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