すでに手元にあるPDFファイルに「社外秘」「部外秘」などの透かしを入れたい場合は、「PDFTK Builder」を利用するとよい。日本語テキスト以外にロゴなども合成でき、しかもまったくのフリーで利用できるスグレモノだ。
PDFファイルに「社外秘」「部外秘」などの透かしを入れたい場合がある。
これからPDFファイルを新規作成するのであればAdobe Acrobat上で[透かし]−[追加]で必要な文字列を挿入すれば済むが、Acrobatがない環境で、すでに手元にあるPDFファイルにこうした透かしを入れるには、どんな方法があるだろうか。
実はこの「すでに存在するPDFに透かしを入れる」ためのフリーソフトは、もともと数が多くない上に、日本語の文字列が扱えるソフトはなかなか見当たらない。
ようやく日本語対応のソフトを見つけたとしても、出力時にソフトウェア作成元のクレジットが入ったり、あるいはもとのPDFとはフォントが置き替わってしまったりと、どこかに実用上のマイナス要因がある場合がほとんどだ。
こうした場合に使ってみたいのが、今回紹介する「PDFTK Builder」だ。このソフトは、原稿となるPDFファイルを別のPDFファイルに合成する機能を持っているので、あらかじめ「社外秘」などと書かれたPDFを用意しておけば、さまざまなPDFファイルに透かしとして合成できる。日本語テキスト以外にロゴなども合成でき、しかもまったくのフリーで利用できるスグレモノだ。
透かしとして利用するPDFファイルは、WordやExcelなどで作成したものをフリーのPDF作成ソフトで出力しても構わないし、オンラインのサービスを用いてもよい。Googleドキュメントで作成してPDF形式でダウンロードするといった方法もある。この際、透かしとして見栄えがいいように、黒一色ではなく30%グレーやピンクなどの薄い色で出力しておくとよい。
作成が終わったら「PDFTK Builder」で合成先のPDFファイルおよび透かしファイルを指定し、「Save As」を押してファイル名を入力したのち「保存」を押せば、透かしの入ったPDFファイルができあがる。最初のうちはフォントサイズや位置などの調節が何度か必要になるかもしれないが、透かしのフォーマットがいちど決まってしまえばあとは繰り返し利用できるので効率もよい。
ネックがあるとすれば、PDFファイルを指定する際に日本語ファイル名およびフォルダ名を認識しないこと(例えば「デスクトップ」に置いたPDFファイルは読み込めない)、また同時に複数のPDFファイルに適用できないことだ。とはいえ、ほかのソフトが抱えているクリティカルな問題に比べれば、気をつけたりひと手間かけたりするだけで解消できる細かい問題だと言えるのではないだろうか。すでに手元にあるPDFファイルに透かしを入れる方法として、知っておけばいざというときに役に立つはずだ。
ソフト名 | 作者 | 利用料 | 対応OS |
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PDFTK Builder | Angus Johnson氏 | 無料 | Windows XP/Vista/7で動作確認 |
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