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» 2014年06月16日 11時00分 UPDATE

あせらない練習:「良い神経質」と「悪い神経質」

「良い神経質」なら大丈夫。「悪い神経質」はあせりのもと。

[斎藤茂太,Business Media 誠]

集中連載「あせらない練習」について

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本連載は、斎藤茂太著、書籍『あせらない練習』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。

休みなしに働いているわりには成果が上がらなかったり、あれもこれもと欲張ってやるわりには何もモノにできなかったり――。周囲に振り回されて自分自身を見失っている人、あなたの周りにもいませんか? そういう人の心の中には、いろいろな情報や思いがグチャグチャとあるだけなのかもしれません。

 ・頭のなかのあせりは、脳を休ませるとだんだん消えていく
 ・「その場しのぎ」をやめれば、あせる気持ちから解放される

不安やイライラは、ちょっとした心の練習でなくなります。あせらないで頭と心さえスッキリさせれば、筋道の通った思考と気持ちの整理もきちんとでき、目的別にゆったりと行動することができるようになります。

本書では、どうしてもあせってしまいがちな人の頭と心をスッキリさせる練習方法を、心の名医であるモタ先生の幸せメソッドにならって紹介します。


 細かいことが気になってしょうがない神経質な人は、

 「あれも心配、これも心配」
 「あれでよかったのか、これでよかったのか」
 「あそこが気に食わない、ここが気に食わない」

 と、あせってばかりで心も行動も落ち着く暇がありません。こういう人に、

 「ささいなことを気にしなさんな」

 と言っても、「性分なんだから、それはしょうがないよ」とか、「ささいなことが大きな失敗につながる可能性もあるでしょ」と反発されそう。確かに、一理あります。

 いろいろなことを神経質にチェックしたり、あらゆる危険因子を想定したりするからこそ、良い結果につながることは多いものです。無神経な人は何をやってもおおざっぱで、穴だらけ……ということもあるでしょう。

 しかし、神経質にも「良い神経質」と「悪い神経質」があります。その分岐点は、ひと言で言うと、

 「神経質になる意味があるかどうか」

 です。どれほど神経質になっても、それが大勢に何ら影響しないささいなことだったら、ただ心身を消耗させるだけです。

 おまけに時間まで浪費するのですから、何の意味もありません。そこで、神経質な人は何か気になることが生じたら、

 「それは神経質になるのに値すること?」

 と自問自答することです。そうすると少なくとも、「理由なく神経質になってあせっている」ムダを排除できます。

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 例えば、先に心配事があるなら、どんな悪い事態が予測されるのかをリストアップし、それに備えていまできることがあるかを考える。できることがあればすればいいし、ないのであればいくら神経質に心配してもしょうがないと分かります。

 してしまったことに対する心配も同じ。いまからでも修正できるならそうすればいいし、できないなら結果を待って善後策を練ればいい。

 また、ささいなことが気になるときは決まって、視野が狭くなっているもの。大局的に物事を捉えて、そのささいなことが結果を左右する因子になるかどうかを考えればいいのです。どうってことのない因子なら、安心して放っておけます。

 神経質になるか否かは、料理の塩加減にたとえると分かりやすいかもしれません。無造作にたくさんの塩を入れてしまうと修正がききませんから、この場合は「塩をたくさん入れすぎない」よう神経質になるべき。少ない分には後で足せるので、「足りないかもしれない」と神経質になる必要はありません。

 同じ神経質になるのなら、いい結果を招く行動に結びつけてこそ価値があります。意味のないことに神経質になる愚は戒めましょう。あせりが増すばかりです。

(次回は、「おもしろいと思えば、おもしろくなる」について)

 →連載「あせらない練習」バックナンバーはこちら

著者プロフィール:

斎藤茂太(さいとう・しげた)

1916(大正5)年に歌人・斎藤茂吉の長男として東京に生まれる。医学博士であり、斎藤病院名誉院長、日本ペンクラブ理事、日本旅行作家協会会長などの役職を歴任。多くの著書を執筆し、「モタさん」の愛称で親しまれる。「心の名医」として悩める人々に勇気を与え続け、そのユーモアあふれる温かいアドバイスには定評があった。2006(平成18)年に90歳で亡くなったが、没後も著作は多くの人々に読み継がれている。


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