Keynote:SOA対応ツールで見え出したRationalの狙いRational Software Development Conference 2005(2/2 ページ)

» 2005年05月24日 13時31分 公開
[木田佳克,ITmedia]
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 サバー氏は、デモの最初に「IBM Rational Portfolio Manager」(以下、IBMRPM)を登場させた。この製品は2004年10月に買収、12月に具体化させたもの(関連記事)

写真■デモでは、ビジネスの局面から運用までをカバーする実体が示された。

Portfolio Managerによるビジネス駆動型開発

 企業における7名それぞれの立場から(上写真)、ビジネスの意志決定に始まり、プロジェクトマネージャが行うためのスケジュールやリソース管理、そして実際の開発に関わるアーキテクトによる制御、さらに開発の現場へとつながるITライフサイクルの相関図だ。

写真■Portfolio Managerによってビジネス上の意志決定を迅速に行うことが可能

 上写真は、デモで示されたIBMRPM(IBM Rational Portfolio Manager:通称、Portfolio Manager)の画面例。右上の円は単なるデザインではなく、色がステータス、大きさが効果、そしてグラフの縦軸がROI効果を表現している。ビジネスの観点で投資対効果を判断すべく、開発と運用面へも直接のコミッター一員となることが狙いだ。

写真■同じくPortfolio Managerの画面。プロジェクトマネージャがリソース管理を行うための機能の1つ。視覚的に把握できるよう、要件によって該当するアーキテクト各人がリストアップ表示される
写真■2004年までに揃えられたプロダクト。これらの製品を基に、本文後述のSOAプラグインやUML Profile for Business Modelingを拡充している

SOAにはサービスをつなぐための実体が必要

 ソフトウェア開発の規模によっては、オフショア開発やツールの機能性拡大によって使いこなせないという状況も見られる。これに対しIBMは、サービス発表を行った。従来からのRational ClearQuestはチーム開発に対し変更依頼管理ができるツールだが、発表されたClearQuest MultiSiteは、導入を補完するためのサービス提供となるもの。

写真■チャレンジとして次世代の抽象化、モジュール化を掲げ、「ビジネスプロセスの可視化」、「サービスの単位に変えるか」、「どのようにつなぐか」という3つが提示された。
写真■アナリストが実際にモデル化すべき手順としてWebSphere Business Integration Modeler(WBIM)を見せた

 WebSphere Business Integration Modelerでは、リー・ナックマン氏が改善するためのシミュレーションを行って見せた。ビジネスプロセスの追加を行う手順であり、RUP Plug-in for WebSphere Business Integration ModelerやRUP Plug-in for SOAなどを併せて触れた。それぞれのプラグインによってSOAを実現する。

写真■モデリングでは、BPMM(Business Process Maturity Model)ベース拡張によるUML準拠のアナリスト向けの実装も用意されている
写真■Rational Software Architectでは、ClearQuestが統合されている。新たなサービス追加による承認をデモし、インポートウィザードで比較的容易な追加が示された
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