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» 2009年04月07日 08時30分 UPDATE

タスクチームのススメ(1):売り上げ目標だけで走るチームの落とし穴 (1/4)

組織で起こる問題の原因は単一の部門ではなく、複数部門にまたがっていることが多い。さまざまな要素が絡み合った組織の問題を解決するために作られるのが「タスクチーム」だ。本稿では成功するためのタスクチームの作り方を6回にわたり紹介する。

[永井孝尚,ITmedia]
「タスクチームのススメ」目次 項目
1.タスクチームとは何か 1-1 なぜタスクチームなのか
1-2 タスクチーム結成のきっかけ
2.タスクを立ち上げる 2-1 タスクリーダーの決定
2-2 解決すべき問題、タスクの目的・目標の仮定義
2-3 タスクメンバーの選定
2-4 スケジュールの設定
2-5 ロジスティクスの設定
2-6 キックオフ会議の招集と根回し
2-7 キックオフ会議の資料作成
3.問題意識の共有と現状把握 3-1 キックオフ会議
3-2 問題意識の共有
3-3 目的と目標の詳細な定義
3-4 現状の把握
4.問題の原因分析 4-1 ギャップの定義と問題の原因分析
4-2 原因を分析する論理的思考
4-2-1 主張、データ、ロジック
4-2-2 因果関係
4-2-3 相関関係
4-3 ストーリー作り
5.アクションプランと進ちょく管理 5-1 アクションプランの定義
5-2 アクションプランの実行環境作りと進ちょく管理
6.タスクリーダーと事務局の心得 6-1 リーダーと事務局の仕事は「リード」
6-2 会議ですべてを決めない
6-3 リーダーと事務局は裏方である
6-4 リーダーと事務局はすべてを抱え込まない
6-5 焦点を絞った議論と発散した議論のバランスを取る
6-6 意見の対立をどう考えるか
6-7 「貴重な人生の時間を預けてくれている」という意識を持つ
6-8 タスクチームの意義

1-1 なぜタスクチームなのか?

 「社運を懸けた新規事業がなかなか立ち上がない」「収益源である中核事業の売り上げが急落している」「会社全体の顧客満足度やブランド認知度が長期で低落傾向にある」――。こうした場合に結成されるのが「タスクチーム」だ。

 タスクチームとは、特定の課題に対して組織の間の壁を越えて取り組み、単一の部門では対処しきれない問題を解決するチームのことを指す。組織の風通しを良くし、全体で成果を出す仕組みに変革するための方法論とも言える。

 わたしはマーケティング戦略を本職としている。マーケティングには複数部門を調整しながら成果を上げることが求められる。冒頭のような問題が起こった場合、リーダーまたはメンバーとしてタスクチームに参加することも多い。

 あるタスクチームにメンバーとして参加した時のことだ。最初の話し合いで「このタスクで何をするのか、その目的を定義しよう」と提案した。過去のタスクチームで作成したケースからサンプルを作りメンバーに提示したところ、何名かの参加者から「なぜこのようなアウトプットがすぐに作れるのか」と質問を受けた。

 わたしはこれまでタスクチームで学んだパターンを踏襲していたのだが、この時の経験をきっかけに、タスクチームで培った経験とスキルをまとめ、パターン化して提示すれば、組織の活性化や問題解決を導けるのではないかと考えた。

 そこで本稿ではこれまでに培ってきた方法論を「タスクチームのススメ」としてまとめ、6回に分けて紹介する。本稿で取り上げるタスクチームは、単一企業の中で特定の課題を深掘りし、問題を解決するケースを想定している。取り上げる内容以外にもさまざまなタスクチームが存在し、本稿の方法論があてはまらない場合もある。だが、基本の考え方やチームの進め方に大きな違いはない。適宜、自身が直面した課題に当てはめて解釈していただきたい。

1-2 タスクチーム結成のきっかけ

 タスクチームの役割をもう一度おさらいする。タスクチームとは、部門をまたがり、単一部門では対処しきれない問題を解決する取り組みだ。わたしが考えるタスクチームの特徴は以下の4つだ。

  1. 活動期限が決まっている
  2. 特定の課題解決を目的とする
  3. 参加者は複数部門にまたがる
  4. メンバーは専属ではなく、本業の傍ら参加する

 タスクチームの結成には必ずきっかけがある。例えば顧客の現場でトラブルが頻発する場合だ。基本的には、その責任部門が対応をすればいいが、これだけでは問題を解決できない場合も多い。

 なぜなら、ビジネスの現場では複数の要因が複雑に絡んでおり、その因果関係が明確に分からないことが往々にしてあるからだ。原因は必ずしも単一部門だけに存在せず、むしろ部門間にまたがった問題であることが多い。担当製品やサービス部門だけでなく、セールス、技術支援、マーケティング、管理部門などが複雑に絡み合い、問題として顕在化する。こうした問題は、組織全体で問題意識を共有できず、明確な原因が分からない場合が多い。

 そこで、複数の部門から代表者を選び、タスクチームを組んで問題解決に当たることになる。

 タスクチームの結成過程はケースバイケースだ。マネジメントの議論の場で「各部門から代表者を集めてタスクを組もう」とトップダウン型で結成されることもあれば、各部門の有志が集まりボトムアップ型で結成することもある。

 しかし、いずれの場合も、タスクチームが成果に結びつくとは限らない。鳴り物入りでタスクチームを組んで活発に議論を交わし、アイデアを出し合っても、結論がでないこともある。会議だけが繰り返され、たいした成果も上げられないまま、気がつけばタスクチームが消滅していた、ということも少なくない。

 タスクチームには、成功するパターンと失敗するパターンがある。トップダウン/ボトムアップいずれの場合にも、「タスクチームの進め方」を理解することで、課題解決が成功する可能性が高まる。タスクチームに参加する人は、自身の貴重な業務時間を割いて参加している。タスクチームを成功に導くことは、参加者の時間を生かすためにも大事なことだ。

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