キラーウェブでなければ生き残れないキラーウェブを創る(1)(1/4 ページ)

ライバルがひしめくネットの世界を生き残っていくには、Webサイトを「キラーウェブ」に育て上げる必要がある。本連載では、ECサイトを成功に導いた企業の試行錯誤を基に、勝ちパターンを探る。

» 2009年05月26日 08時45分 公開
[前野智純,ITmedia]

キラーウェブを創る

ライバルがひしめくネットの世界を生き残っていくには、Webサイトを「キラーウェブ」に育て上げる必要がある。キラーウェブとは、何らかの要素で「一番」を持ち、それがユーザーに支持されているWebサイトのことを指す。本連載では、ECサイトを成功に導いた企業の試行錯誤を基に、勝ちパターンを探っていく。

バックナンバー

(1)キラーウェブでなければ生き残れない

(2)ありふれた商品でもカテゴリーキラーになれる(ケンコーコム)

(3)「言葉の市場」を攻略するニッチターゲティング(ネットオフ)

(4)自社をメディア化する「Web情報武装」の正体(ゴルフダイジェスト・オンライン)

(5)商品の質こそがキラーファクターになる(オイシックス)

(6)Webと実店舗の共食いを超えた先(良品計画)


 商店街にお店を出しているとして、向こう三軒両隣すべてが競合店だったとしたら、どんな戦略を考えるべきだろうか。並み居る競合の中で一番になるには何をどうすればいいか。

 現実には考えにくいことかもしれないし、その前にそんな場所にあえて出店しないかもしれない。「競合店がひしめいている場所にはニーズがある。だからそこに出店して一番になってやろう」。そんな考えはもしかしたら無謀なのかもしれない。

 しかし、好むと好まざるとにかかわらず、そんな意識を持ってビジネスをしないといけない場所がある。それがネットの中だ

キラーウェブでなければ生き残れない

 ネットで検索した時、検索結果に表示されるのは競合ばかりである。ある意味、競合の施策は調べやすいが、それは相手も同じこと。自分がユーザーなら、特徴が分かりにくく更新が止まっているWebサイトや、画面の表示が遅いサイトにアクセスしてしまったら、迷わず別のサイトに行くだろう。

 ユーザーが少しでも不信感を覚えるようなWebサイトは受け入れられない――。そんな厳しい世界で勝ち残っていくことが、ネットビジネスをするための前提条件になる。それが嫌なら「うちはネットはやりません。対面販売のみで勝負します」と宣言すればいい。黙っていても口コミが生まれるほどの強い商品力や高度な戦略性がある場合は、ネット以外で勝負した方がいいケースもある。中途半端にネットでビジネスを展開しても、掛けたコストはまず回収できない。向こう三軒両隣が競合の世界なのだから。

 ネットでビジネスを成功させるには、Webサイトを「キラーウェブ」に育て上げないといけない。

 キラーウェブとは、何らかの要素で「一番」を持ち、それがユーザーに支持されているWebサイトのことである。商品、価格、顧客対応、コンテンツなど、どこかの要素でほかを圧倒するものを持っているWebサイトこそが、キラーウェブとして覇権を握り、ライバルがひしめくネットの世界を生き残っていく。

 ではキラーウェブを育てるには何が必要なのか。

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