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» 2012年02月28日 08時00分 UPDATE

Instagramが社員6人で1000万人のユーザーに対応できる理由とは?

写真共有サービス「Instagram」の運営元は、全社員6人で1000万人の顧客サポートを行っている。それを支えるヘルプデスクソリューション「Desk.com」の仕組みをセールスフォースに聞いた。

[本宮学,ITmedia]
photo Desk.com

 TwitterやFacebookの普及に伴い、企業のヘルプデスク業務も変わりつつある。従来の電話やメール、FAXなどを使った顧客対応に加え、今ではソーシャルメディア上に公式アカウントを開設して顧客との接点を増やそうとする考え方が注目されている。

 だが、企業がこうした複数のチャネルで顧客サポートを行おうとしても「コストや人手がかかるイメージがあり、手が出せない場合が多かったのではないか」と、セールスフォース・ドットコムで執行役員を務める榎隆司氏は指摘する。

 そんな悩みを解決すべく、同社が2月に公開し、3月の国内版のリリースに向けて準備を進めているのが、SaaS型の中小規模向けヘルプデスクツール「Desk.com」だ。

 同ツールは、顧客からの電話やメール、Twitter/Facebook上の発言などを一元管理できるようにするというもの。企業は自社のソーシャルメディアアカウントや自社に関係するキーワードなどをDesk.comに登録すれば、メールボックス風の管理画面でインシデントを網羅的に把握し、対応できるようになる。

 オペレーターが顧客からの問い合わせを確認すると「確認済み」というチェックが付き、回答したものは管理画面から消える。つまり、オペレーターは画面に表示されているインシデントだけに対応すればよいという仕組みだ。顧客への回答は「ナレッジベース」として蓄積することもでき、次回以降に似た内容の質問が寄せられた際に活用できる。

 PCのほかスマートフォンやタブレットにも対応し、iOS端末やAndroid端末など、HTML5に対応したあらゆる端末で利用できるようになっている。これにより、ユーザーはオフィス内に限らずあらゆる場所でヘルプデスク業務を行えるようになるという。

 企業は初期費用なしの月額49ドル/人数(1人目は無料)で利用できる。支払方法はクレジットカード決済に対応しているほか、国内版ではその他の決済手段も用意するという。

 Desk.comは、同社が2011年に買収した米Assistlyの技術を使ったソリューションだ。英語版は既に提供されており、多くの企業で利用されているという。特に米Instagramでは、1000万人のユーザーを6人の社員で管理するなど、Desk.comのソーシャルメディア機能やモバイル機能を有効活用しているという。

 セールスフォース・ドットコムはDesk.comの他にも、カスタマーサービスシステム「Service Cloud」を提供している。だがService Cloudでソーシャルメディア上の顧客の声を自動で取り込むためには、他ツールと組み合わせた「大規模な仕組みが必要だった」という。そこで同社は「シンプルな仕組み」のDesk.comを安価に提供することで、従業員数がそう多くない企業やITスタッフがいない企業などにも“ソーシャルヘルプデスク”を普及させていく考えだ。

運用面の課題は?

photo 榎氏

 だがこうしたツールがあっても、あくまでそれを運用するのは人間だ。ソーシャルメディア上のユーザーの声をどの程度まで“公式”なものとして捉え、対応するかは各社の運用ポリシーに委ねられる。既にソーシャルメディアを顧客サポートに利用している企業でも、顧客からのメンション(@付きの発言)全てには回答していない――という企業も多いのではないか。

 これについて榎氏は「顧客からすれば、企業の公式アカウントにメンションするのは企業に電話をかけるのと同じこと」と指摘する。顧客から掛かってきた電話やメールを無視するわけにはいかないのと同様に、ソーシャルメディア上の企業アカウントへのメンションも全て公式なものとして対応することが求められるとのことだ。

 では、メンション以外の形で投稿された自社に関係する発言にはどう対応していくべきか。榎氏は「企業が返事をしなくても、顧客が『返事をくれなかった』と不満に思うことはないと思うが、放っておくと大きな火種になることは間違いない」と指摘する。

 「顧客がソーシャルメディア上で発した“クレームの種”を、クレーム処理という見方ではなくレスポンスしていくことで、顧客がその企業のファンになってリツイートしてくれたり、企業のマーケティングの強化にもつながるはずだ」(榎氏)

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