Windows Server 2003のサポート終了、「これから移行」を失敗しない方法は?Enterprise IT Kaleidoscope(4/4 ページ)

» 2014年12月09日 07時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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「10年の計」を考える

 今後10年、20年後を考えるなら、サーバはできるだけ社内に置かず、独自開発したアプリケーションも使わずにしていくべきともいえる。可能ならクラウド上に展開されているサービスを利用したり、業界で大きなシェアを持っている“標準的”なパッケージアプリケーションを選択していくべきだろう。

 企業はWS2003/2003 R2の移行問題を、社内のITシステムを作り替えていくチャンスにしてほしい。そうしなければ、2020年には再びWS2008/2008 R2からの移行が問題になる。今回はWS2003/2003 R2のサポート終了が問題になっているが、その他のOSでも同じようなことが起こる。つまり、この問題はMicrosoft特有の事情というわけではないのだ。

 また、こういった問題では企業のトップがITシステムに対してあまり理解をしていないことが大きな障害になる。工場の設備などは30年、50年といった長期にわたって利用されるが、ITシステムは5年、10年であり、企業にとっては短い期間で入れ替わる。その感覚を持った経営層は、ITシステムに対する投資やコストがあまりにもかかり過ぎると感じるかもしれない。使えるなら、サポートが終了しても、そのまま使い続けるという選択をする企業は多い。

 そして、できればPCやモバイルを含めたクライアントデバイスとサーバなど、企業全体におけるITライフサイクルをきちんと考え直し、計画的に投資をしていくようにしたい。そうなれば、OSのサポート終了などの問題があっても起きても適切に対処できるし、この方がコスト面でも安く済むはずだ。

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