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» 2015年01月06日 20時26分 UPDATE

赤丸バリカタ全部入り:「博多一風堂」の海外進出を支える新ネットワーク基盤

ラーメン店「博多 一風堂」を運営する力の源カンパニーが、海外進出を加速するその原動力とは。5年後、10年後の成長を見据え、新たなネットワーク基盤を整備した。

[岩城俊介,ITmedia]

 「赤丸バリカタ全部入り」──。全国約100店舗、ラーメン店「博多 一風堂」を運営する力の源カンパニーが海外への出店を加速させている。2014年12月、日本文化を海外に売り込むファンド、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)が同社に海外展開資金として最大20億円規模を支援すると発表したことでも話題になった。

photo 事業ブランドの1つ「博多 一風堂」のWebサイト

 海外拠点はすでにニューヨーク、ロンドン、ソウルや中国、台湾、マレーシアなどのアジア圏を含めた12拠点(2015年1月時点)にも。ただ、事業が成長する中で、事業の基盤である各拠点を結ぶネットワークを巡る課題が浮上していたという。

経緯と課題:複雑化し、不安定になったネットワークの課題

 各国各地で多店舗展開する同社にとって、ネットワークは経営インフラそのものという。各店舗で稼働するPOS、受発注システム、勤怠システム、麺の製造元、支店と本店をつなぐネットワーク環境を構築してきた。ただ、短期間で店舗数やビジネスが急成長しただけに、ネットワーク構成が複雑化してしまっていた。運用コストが増大する一方で、安定性も失われてきていたことが大きな課題だった。

 また、十分な帯域を確保できていない問題もあった。同社は本社や工場など国内主要9拠点を結ぶWeb会議システムを運用するが、映像と音声の遅延が常に発生していた。

 「どこかに不具合が発生したとしても、ネットワークなのかシステムなのか原因が分からず、障害の切り分けに時間がかかってしまっていた。場合によっては問題の究明すら分からないケースもあった」(力の源カンパニー 管理・支援本部IT支援グループの川崎龍太グループリーダー)

抱えていた課題

  • ネットワーク構成が複雑に
  • 安定性も失われてきた
  • 帯域も不足していた

対策と方法:全拠点の見える化+高信頼で広帯域なネットワーク基盤へ移行

 同社は「5年後、10年後のビジネスに耐えられるネットワーク」の構築をテーマに全面刷新を決断。成長を見越した1000単位の店舗、拠点を想定し、かつ海外の拠点とも連携できるネットワーク基盤として、NTTコミュニケーションズのオールインワンVPNサービス「Arcstar Universal One」を選定した。

採用に至ったポイント

  • 回線の二重化による信頼性を確保できる
  • 帯域の増速ができる
  • 海外での店舗展開においても迅速にネットワークを拡張できる
  • 全国をカバーする保守体制が整備されている


 「当社からは、技術目線というよりサービス目線でやりたいことを投げかけました。ソリューションの優位性はさることながら、それを提供する人の品質やスキルレベルの高さも選定材料となった」(力の源カンパニーの川崎氏)

 ネットワーク構成は、本社、データセンター、製麺社(渡辺製麺)などの重要拠点は高品質なイーサネット回線による「プレミアム/ギャランティプラン」で、店舗の接続にはリーズナブルな「ベストエフォートプラン」を適材適所に組み合わせた。それぞれバックアップ回線を整備しつつもシンプルな構成によって、信頼性と広帯域を兼ねたネットワーク環境を構築した。なお、Arcstar Universal Oneには、グローバル展開を図る企業向けに190以上の国/地域をカバーする「Arcstar Universal One グローバル」も用意する。

photo ネットワーク構成(出典:NTTコミュニケーションズWebサイト)

効果と成果:高信頼で広帯域なネットワーク基盤に、モバイル対応化の効果も

 Arcstar Universal Oneは、まず新規の店舗から導入を開始。約100の既存店舗も現地調査をすでに終えており、順次切り替えを進めていく計画とする。

 「従業員が誤ってケーブルなどを抜いてしまって通信が遮断されていたトラブルもあったが、各店舗の配線状況なども“見える化”できることで管理体制は強固になった。信頼性、安定性、拡張性、そうした懸念が払拭された」(力の源カンパニーの川崎氏)

 あわせて導入した仮想ネットワークサービス「Arcstar Universal One Virtual」で、さらなる業務効率を高める効果にも期待する。これまでリモートアクセスのためのIDを付与する作業環境が本社の1拠点に限られ、管理者がVPN機器の設定を含めて一括処理する状況だったが、以後、管理者はWebベースのツールで従業員の求めに応じて迅速にIDを付与できる体制を整えた。社内で機器を持つ必要がなく、ユーザーの管理設定作業が大きく簡素化できることは、管理者にも従業員にも有効な対策となる。

 「従来必要としていた別途個別のモバイルネットワーク回線が不要になるなど、低コストで利用できる点にも今後のコストメリットとして効いてくるはず。最近はラーメン事業以外にも多角的な事業展開をしているため、セキュアかつスピーディに社内ネットワークへ入れる手段は、今後、大きな武器となるはず」(力の源カンパニーの川崎氏)

効果

  • コストを抑えつつ、高信頼で広帯域なネットワーク基盤を構築できた
  • 安全かつ迅速に社内ネットワークへ入れるリモート環境を整備できた

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