ITmedia NEWS >

“LAN DISK AV”でスカパー!HD録画を試す(2/2 ページ)

» 2009年07月28日 21時09分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

再生はさらに簡単

 再生はチューナーのリモコンから行う。「タイトルリスト」を押すと接続された録画機器――今回はアイ・オー・データ機器のNASが表示される。サーバを選択すると「タイトルリスト」として「Folder」「Video」「Photos」「Music」の項目が現れる。録画した番組を見るためには「Video」、そして「Genres」「Date」「All Video」「Albums」から任意の項目を選択していく。「DLAN機器を触ったことのある人ならばおなじみの項目だが、映像のサムネイル表示などは行われず、HDDレコーダーとしてはやや素っ気ない。

photophoto リモコンの「タイトルリスト」を押した直後(写真=左)、番組名まで表示した状態(写真=右)

 とはいえ、実用面での不満はない。再生を開始すると画面下にプログレスバーと操作アイコンが表示され、リモコンの十字ボタンから操作が行える。最初に番組を呼び出すときに数秒待たされることを除けば、全体的に操作は機敏であり、ネットワーク越しにNASを操作してることは感じさせない。

photo プログレスバーを見ながらの早送りや早戻しは可能であるものの、再生画面からの編集やチャプタージャンプといった機能は備えておらず、非常にシンプルな作りだ。

 なお、再生についてはWindows用ソフト「DiXiM Digital TV」を利用すればネットワーク越しにPCからも行える。ただ、ハイビジョンのMPEG-4 AVCデータを、DTCP-IPでネットワーク越しに再生するという負荷のためか、ハードウェアへ要求する環境もそれなりに高い。詳細はこちらを参照して頂きたいが、CPU/GPU、それにディスプレイとの接続方法(アナログRGB接続は不可)についてまで規定されており、古いノートPCやネットブックなどでは厳しいだろう。

スカパー!&東芝RDシリーズユーザーからの感想

 シンプルに録画し、再生するという意味では十分なパフォーマンスを発揮してくれる「SP-HR200H」とNAS“LAN DISK AV”「HVL1-G500」の組み合わせだが、既存スカパー!&東芝RD(VARDIA)シリーズの組み合わせを愛用している筆者からすれば物足りなさを感じさせる場面もある。

 最も大きなものは、放送波の異なる複数サービスへの対応。筆者はスカパー!と東芝“VARDIA”「RD-S601」を組み合わせて利用してるが、この場合には地上デジタル/BSデジタル/110度CS/WOWOW/スカパー!の番組表をレコーダーのボタンひとつで切り替えながら録画操作が行える。キーワードやジャンルを指定して、放送サービスを横断しての検索&録画設定も容易なため、例えば「サッカー」というジャンルを指定すれば、受信可能な全チャンネルを網羅して録画できる。

 「SP-HR200H」と「HVL1-G500」の組み合わせでも、地上デジタル/スカパー!/スカパー!HDを対象に同様の利用が行えるが、個人的にはBSデジタルも視聴機会が多いので、この点は残念だ。また、細かい部分になってしまうが、録画時にシリーズ録画が行えないことや、よく見る/録画している番組に対しての自動録機能を備えていないことも、筆者も含め、比較的最近のデジタルレコーダーを愛用している人からすれば、録画の利便性という面で物足りなく感じてしまうだろう。

 それでも、スカパー!HDのハイビジョン放送がボタン1つで簡単に録画できることは素直に喜びたい。スカパー!HDは現在、18チャンネルが用意されているが、10月には70チャンネル以上に拡大される予定であり、チューナーを入れ替え(アンテナは既存のものをそのまま利用できる)、NASを導入するだけでハイビジョンが視聴&録画できる。

 既にSP-HR200Hを利用している人に対しては、放送波アップデートにて録画対応となる予定とのことだが、NASの価格が下がっていることもあり、スカパー!HD対応チューナーとNASを組み合わせた録画環境は魅力的なソリューションとなりそうだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.