連載
» 2009年08月10日 12時53分 UPDATE

本田雅一のTV Style:映画ファンのための低価格BDプレーヤー選び(1)

つい半年ぐらい前まで、低予算でBDプレーヤーを入手しようと思えば、「プレイステーション3」を購入するのが一番の近道だった。しかし、現在では5万円を切る低価格BDプレーヤーも好みや予算に応じて選べる状況だ。

[本田雅一,ITmedia]

 「次世代」といわれたBlu-ray Discも、市販BDソフトが発売されてから3年以上が経過した。録画機能のみの最初期機種の発売から数えると6年。HD DVD撤退の発表からも1年半近い時が流れている。

 そして今、Blu-ray Disc市場を見ると、中心的な役割を果たしているのはレコーダーだ。ハイビジョンレコーダーのBDへの置き換えは予想以上に進行し、BD非搭載のハイビジョンレコーダーは存在感がほとんどなくなってきている。

 ところが、BDのパッケージソフト販売やレンタルは思ったように伸びていないようだ。市販パッケージソフトに関してはアニメ作品が好調で、BDでの発売が当たり前になってきているのに対し、映画ソフトはBDソフトが再生できる機器の普及台数から期待されるほどには、売り上げが伸びていない。

 最新のレコーダーを購入し、熱心にテレビ番組を録画するユーザー層とアニメファンは重なっているが、映画ファンとの重複は少ないのかもしれない。世界で最も普及しているBDプレーヤーはソニーの「プレイステーション3」だが、ゲーム機ユーザーと映画ファンというのもまた、日本ではあまり重なっていないのだろう。

 もちろん、WOWOWに加入して好きな映画をこま目に録画するユーザーは一定数はいる(余談だがパナソニックがBDレコーダーで1カ月先までのWOWOW番組表のネットからダウンロード、録画予約する機能を付けたのは、今後の市場を拡げる上でなかなか良いやり方だ)が、それだけではマジョリティーにはならないということだ。

 では、映画ファンはどんなスタイルで映画を家庭内で楽しんでいるか? というと、実はまだDVDが多いという。BDでは見たいタイトルがそろっていない、レンタル開始していない、安売り映画ソフトがない、といった理由に加えて、手頃なBDプレーヤーは存在せず、映画もBDではほとんど発売されていないと思っている人が多いのだとか。

 実際、筆者の仕事場でもあるホームシアターを訪問してくるお客さん(その多くは映画ファン、音楽ファンだ)は、筆者宅に600本ほどのBDソフトがあること(そんなにたくさん発売されているとは思っていないようだ)や、テストのためにたまたま置いてあったBDプレーヤーが思ったより低価格なことに驚いたと話していた。

 確かに過去のヒット作や名作映画の中には、BD化されていないタイトルも多い。DVDソフトが定期的に安売りされるのに対して、なかなか価格が落ちないBDタイトルは買いにくいという事情もあるが、新作ソフトに関していえば、ほぼ1000円前後の価格差でコンスタントにBDソフトも提供されるようになってきた。

 そして5万円を切る低価格BDプレーヤーも、すでに好みや予算に応じて選べる状況になってきている。つい半年ぐらい前までは、低予算でBDプレーヤーを入手しようと思えば、プレイステーション3を購入するのが一番の近道だったが、今では非ゲームユーザーがBDプレーヤーとして使うためにプレイステーション3を購入する意味は小さくなっている。

photophotophoto 左からビクター「XV-BP1」、パナソニック「DMP-BD60」、シャープ「BD−HP21」

 現在、販売されている5万円以下のBDプレーヤーは、国内メーカー製品だけでもソニー「BDP-S350」、シャープ「BD−HP21」、パイオニア「BDP-120」「BDP-320」、パナソニック「DMP-BD60」、ビクター「XV-BP1」の6機種があり、韓国メーカーや中国メーカーが販売する2万円以下の製品も含めると、さらに選択肢が拡がる。

 BDソフトは元々の品質がDVDより高いため、2万円クラスの製品でも充分に高画質が堪能できるように思うが、実際に筆者のシアターで確かめたところ、画質と音質には相応の差があるように感じられた。

 最低価格帯のプレーヤーで最も人気が高いのは、LGエレクトロニクス製「BD370」だ。低価格に加え、起動速度がとても早いためにブランドにコダワリのない消費者にはお買い得に思えるのだろう。確かに速い。余談だが、起動が高速な理由はOSにあるらしい。BDプレーヤーはLinuxをベースに開発されているものがほとんどだが、BD370は家電向けのコンパクトな組み込みOSを用いているためにブートアップが速いようだ。

photophoto ソニー「BDP-S350」(左)とLGエレクトロニクスの「BD370」(右)

 ただし、画質や音質、それにレコーダーで録画されたBD-R/REの再生互換性なども含めると、やはり国内メーカーの方が一歩も二歩も進んでいる。特に番組名の日本語に文字化けが発生するため、1枚のBDに多くのタイトルを入れている場合には操作しにくい。梱包(こんぽう)を開けた直後は、メニューのデフォルト言語設定が英語になっており、インターナショナル版のBDタイトル(プレーヤーの設定言語に応じて現れるメニューを変更するタイプのBDソフト。ワーナーやユニバーサルの作品に多い)で日本語字幕や音声を選べないという問題もあった。設定を自分で変更すれば解決できるが、日本向けに合わせてソフトとの互換性テストを行っているかどうか、少々疑問が残る。

 ただし、画質も音質も良くはないが、最悪というわけではなく、言ってみればごく普通。最初期の国産レコーダー並の品質はあるので、お買い得製品として考えるならば、さほど嫌うほどのものでもないかもしれない。

 もっとも、個人的に勧めるのであれば、筆者はパイオニアのBDP-320を勧める。パイオニアはそのさらに上の「BDP-LX52」を強く訴求しているが、実はBDP-320こそ超お買い得モデルだと思うからだ。次点はパナソニックの「DMP-BD60」。両機種について、次回に詳しく話をしたい。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.