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» 2010年10月04日 22時29分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2010:東芝、裸眼立体視に対応した「グラスレス3Dレグザ」を発表

東芝は、「CEATEC JAPAN 2010」開幕前日となる10月4日、専用メガネを使用しない裸眼立体視が可能な“グラスレス3Dレグザ”「GLシリーズ」2機種を発表した。同社の展示ブースには、56V型の試作機も参考出展。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は10月4日、「グラスレス3Dレグザ」2機種と“クラウドテレビ構想”「レグザ Apps コネクト」(別記事を参照)を発表した。「CEATEC JAPAN 2010」の開幕に先立ち、幕張メッセの自社ブースに報道関係者を集めて大々的にアピール。壇上に立った東芝ビジュアルプロダクツ社の大角正明社長は、「テレビにイノベーションをもたらす2つの未来」と胸を張った。

ts_ragan02.jpgts_ragan01.jpg 東芝ビジュアルプロダクツ社の大角正明社長(左)と新製品の“グラスレス3Dレグザ”「GLシリーズ」(右)

 世界初の裸眼立体視対応テレビとなるグラスレス3Dレグザは、かねてより同社が技術開発を進めていたインテグラルイメージング方式を採用した3Dテレビだ。20V型の「20GL1」と12V型の「12GL1」をラインアップしており、いずれも12月下旬から発売する。価格はオープンプライスだが、店頭では20GL1が24万円前後、12GL1は12万円前後になる見込みだ。

photophoto 20V型の「20GL1」(左)と12V型の「12GL1」(右)

 インテグラルイメージング(光線再生)方式は、物体からの光(反射光)を複数の方向からサンプリングし、ディスプレイ上で再現するという原理。専用メガネなどをかけず、滑らかな映像表現と立体感を得られるのが特長だ。

 グラスレス3Dレグザでは、水平方向に視差を持つ1次元インテグラルイメージング方式を採用。“かまぼこ型のレンズ”を多数並べたような垂直レンチキュラーシートを液晶パネルに装着し、そこにアングルが異なる9枚(9視差)の映像を同時に映し出すと、左右の目が異なる映像をとらえて立体感を得る仕組みになっている。見る位置によって微妙に異なる角度の3D映像が楽しめる。

 「東芝の3D技術が目指すものはリアリティー。専用メガネをかけずに楽しめる“グラスレス”3Dテレビは、リアリティー追求の理想の姿だ」(大角氏)。

 ただし、この方式で実用的な視野角を確保するには多くの視差が必要となり、視差が増えると実質的な表示解像度は大きく落ちてしまう。また、画面に輝度ムラが生じやすく、そもそも対応するコンテンツが存在しないといった根本的な課題もある。

 このため東芝では、CELL REGZAで開発した2D→3D変換技術にくわえ、リアルタイムに9つの映像(9視差)を生成する専用LSIを独自開発。Cell Broadband Engineをコアとして、専用の多視差変換LSIを複数備えた「グラスレス3D専用CELLレグザエンジン」(20GL1の場合)を採用することで、通常のテレビ番組や外部入力映像をすべて3D表示できるようにした。

photo CELL REGZAに採用された2D→3D変換技術をベースに奥行きを推定し、多視差レンダリングによって9視差の映像を生成する

 液晶パネルは、縦にRGB、横にはそれぞれの色を9つずつ配置し、さらに色ムラを抑えるために画素を斜めに配置した専用設計だ。パネルが持つ総画素数は、20V型の場合でフルHDの約4倍にあたる829万画素。これにより、9視差の映像描画を行いながら1280×720ピクセルのハイビジョン3D映像を視聴できるようになった。また、パネル解像度を上げたことによる輝度低下や輝度ムラに対しては、1440個ものLEDモジュールを配置した直下型LEDバックライトで対応する。

photo 専用設計の液晶パネル。通常は横にRGBのサブピクセルが並んで1画素となるが、裸眼立体視用パネルではRGB各色9つずつのサブピクセルを1組として1画素を形成する。画素を斜めに配置しているのは色ムラを抑えるためだ

 一方の12V型は、同じく3D専用のRGB配列とした約147万画素の液晶パネルを採用。9視差の映像表示を行いながら466×350ピクセルの3D映像を視聴できる。なお、グラスレス3Dレグザでも2D表示は可能だが、その場合の表示解像度は3D表示時と同等になるという。

 2機種とも外付けUSB HDD録画に対応し、最大4台までの同時接続をサポート。12V型ではフォトフレーム的な使い方を想定してSDカードスロット(JPEG、AVCHD対応)も備えており、ワンセグ録画の持ち出しも可能だ。そのほかの主な仕様は下表の通り。

 なお、東芝ブースでは今回発表された2機種に加えて56V型の大型3Dテレビを参考展示している。発売時期や画面解像度などの詳細は非公開ながら、大角氏は、「すでに開発には着手している」としてグラスレス3Dテレビの大型化に意欲を見せた。

ts_ragan07.jpgts_ragan08.jpg 56V型試作機(左)と同じく裸眼立体視対応のノートPCを参考出展(右)。ノートPCでは、電圧をかけると疑似的にレンズ層ができる“液晶レンズ”を使い、特定のウィンドウのみを3D表示にしていた
型番 20GL1 12GL1
チューナー構成 地上デジタル×2、BS/CS110度デジタル×2 地上デジタル×1、BS/CS110度デジタル×1
表示画素数(パネル画素数) 1280×720画素(829万4400画素) 466×350画素(147万画素)
コントラスト 550:1 500:1
推奨3D視聴距離 90センチ 65センチ
映像エンジン グラスレス3D専用CELLレグザエンジン グラスレス3D専用レグザエンジン
CONEQ  
入力端子 HDMI×4、アナログビデオ入力×1、光デジタル音声出力、HDMIアナログ音声入力、ヘッドフォン、USB、LAN HDMI×1、アナログビデオ入力×1、ヘッドフォン、USB、LAN、SDカードスロット
外形寸法 640(幅)×105(奥行き)×663(高さ)ミリ 337(幅)×52(奥行き)×272(高さ)ミリ
重量 未定
実売想定価格 24万円前後 12万円前後
発売時期 12月下旬

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