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全国のコミュニティFMが聞ける「コミュニティFM for iPhone (i-コミュラジ)」片岡義明の「こんなアプリと暮らしたい」

» 2012年10月22日 19時51分 公開
[片岡義明,ITmedia]

 市区町村などの限定されたエリアを対象に放送する「コミュニティFM」は、地域密着情報や防災情報などの発信源として全国各地で親しまれている。これらの放送をiPhoneで聞けるアプリが、今回紹介する「コミュニティFM for iPhone (i-コミュラジ)」(価格:350円)だ。

「コミュニティFM for iPhone (i-コミュラジ)」の起動画面(左)。チャンネル一覧(中)。放送中の番組詳細情報(右)

 コミュニティFMは、受信エリアが限られているため、本来ならばラジオを持って現地に行かなければ聞けないが、このアプリを使えば遠方にあるコミュニティFMもいつでも手軽に聞ける。コミュニティFMの放送をこのようにインターネットでストリーミング配信するサイト/アプリやプロジェクトは「サイマルラジオ」とも呼ばれており、「i-コミュラジ」のほかにもPC向けサイトやAndroidアプリがリリースされている。iPhoneやAndroidスマートフォン向けのアプリを利用すれば、ラジオのような感覚でさまざまな場所で聞けるので便利だ。

 「i-コミュラジ」で聞けるのは10月中旬現在で42局。札幌市の「三角山放送局」や仙台市の「RADIO3」、水戸市の「FMぱるるん」、さいたま市の「REDS WAVE」、東京都立川市の「FMたちかわ」、神奈川県藤沢市の「レディオ湘南」、名古屋市の「MID-FM」、大阪市の「ウメダFM」、広島市の「FMちゅーピー」、鹿児島県奄美市の「あまみエフエム」など、北海道から鹿児島県まで全国各地のコミュニティFM局をカバーしており、今後も参加局は増える予定だ。

 アプリを立ち上げるとこれらのチャンネル一覧が表示されるので、どれかを選んでタップするだけですぐに放送が聞ける。再生中は詳細画面が立ち上がり、放送中の番組名や番組からのメッセージ、天気情報、通信速度などが表示される。Wi-Fiだけでなく3G通信での聴取も可能だが、回線速度が200kbps以下になると音声途切れが発生する場合があるので、この場合は200kbps以上になる場所へ移動する必要がある。

1日の番組表(左)。地域情報(中)。回線速度の確認も可能になっている(右)

 放送を聞いているときに下のメニューから「番組表」をタップすると、その日の番組表をチェックできる。また、「地域情報」をタップするとその放送局が提供するWebサイトも表示されて、地域情報などを入手できる。

 回線速度さえ十分なら音質も良く、ラジオのように雑音が入ることもないので快適に放送を楽しめる。再生中に流れるメッセージにリクエストするためのメールアドレスも表示されたりするので便利だ。ただ、メールアプリとの連携機能がないことや、放送中に流れる曲の題名などが表示されないのはちょっと残念。数多くの放送局と連携しているため難しいかもしれないが、今後はこのような点でリスナーの使い勝手が良くなるよう進化を期待したい。

 アプリの価格が少し高めなのも少々気になるが、全国各地に足を運ぶことを考えれば納得できる。色々なエリアのDJのトークやリスナーからの投稿を聴くと思わぬ情報に出会えることがあるし、遠く離れた街の放送を聞くと、まるでその街を旅したような気分にもなれる。ラジオ好きな人はもちろん、旅行好きな人にもぜひおすすめだ。


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