パナソニックは1月8日(現地時間)、「2013 International CES」の4K×2K解像度を持つ56V型有機ELパネルを発表した。同社の津賀一宏社長が基調講演で明らかにした。
パナソニックが他社に先行して開発を進めていた“RGBオール印刷方式”による有機ELパネル。パネルの発光層(EL層)を形成する際、有機EL材料を印刷によって塗布する手法で、生産工程がシンプルとなり、多様な画面サイズの展開が容易になるといったメリットがある。また、必要な個所にのみ必要な分量の材料を塗布できるために材料のロスも少なく、生産効率が向上。「独自の印刷技術により、競合他社よりも、大きく、より手ごろなパネルを作ることができる」(同氏)としている。
同社では、大画面に均一に塗布するための設備技術およびプロセス技術を新たに開発。さらに、光の取り出し効率が高い独自の「透明陰極型トップエミッション構造」を採用し、4K解像度の大型パネルを開発した。高い色再現性や広い視野角も特長だ。「4KとOLED(有機ELディスプレイ)の2つのTVテクノロジーのシナジーにより、高精細で色鮮やかな画質を実現した。重さは約12キログラムと通常の4Kディスプレイの半分」(同氏)。
なおパナソニックによると、今回の試作機は昨年6月に発表したソニーとの大型有機ELパネル共同開発の成果の1つだという。「今回の試作機に採用したTFTは共同開発における活動ステップの1つとして、ソニーより協力を得たもの」(パナソニック)。両社は、2013年中の量産技術確立を目指している。
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