ITmedia NEWS >

シャープが直下型LEDバックライト搭載のエントリーテレビ“AQUOS”「H20シリーズ」を発表――デジアナ変換終了に向けて訴求

» 2015年01月20日 17時02分 公開
[ITmedia]

 シャープは1月20日、直下型LEDバックライトを搭載した液晶テレビ「H20シリーズ」2機種を発表した。同日、行われた春商戦に向けての販促説明会では、2Kから4Kへの買い替え促進策に加え、2015年3月末に予定されているCATVのデジアナ変換終了を見据え、エントリーモデルを訴求する考えを示した。

「H20シリーズ」の32V型(左)と40V型(右)

 「H20シリーズ」は、スタンダードモデルながらAQUOSシリーズで唯一、直下型LEDバックライトを搭載したシリーズだ。ローカルディミング(部分駆動)の技術は入っていないが、明るくクリアな色再現が特徴だという。液晶パネルは亀山工場製で、40V型の「LC-40H20」は倍速駆動対応のフルHDパネル(1980×1024ピクセル)を、32V型の「LC-32H20」は1366×768ピクセルのWXGAパネルを搭載している。

MHL対応のHDMI端子も装備

 チューナーはシングルながら、別売のUSB外付けHDDをプラスすれば録画も可能(裏番組録画は不可)。バッファローの長時間録画HDDに対応するほか、自動チャプター機能も備えている。ほかにもテレビ放送と外部入力の2画面機能、スマートフォンの画面を映し出せるMHL対応、スライドショー付きカレンダー/時計機能なども搭載した。

 どちらも2月10日に発売予定で、価格はオープンプライス。店頭では40V型「LC-40H20」が9万円前後(税別)、32V型「LC-32H20」は6万円前後になる見込みだ。

デジアナ変換終了で50万台の需要が生まれる

 シャープでは、今回の「H20シリーズ」をはじめ、Blu-ray Disc一体型の「DR9シリーズ」(40V型、32V型)、Wチューナー搭載の「J10シリーズ」など、画面サイズが比較的小さく、低価格なモデルをピックアップ。デジアナ変換終了に伴うテレビ買い替え需要に向けて訴求する構えだ。

デジタル情報家電事業本部国内営業統括の居石勘資氏が登壇−−

 CATVのデジアナ変換は、アナログ放送終了に伴う救済措置の一環として提供されているもの。地上デジタル放送をアナログ変換し、各地のCATV局を通じて放送することで、デジタルテレビ機器のない家庭でもデジタル放送(画質はSD)を楽しめる。総務省などの資料によると、デジアナ変換の利用世帯はおよそ105万世帯(推計)。またBCNの調査では利用世帯のうち5割が「デジタルテレビを購入する意欲がある」と回答している。「つまり、これから3月末までに52万5000台の需要が生じるということ」(居石氏)。

 ただし、同社によるとブラウン管テレビからのデジタルテレビに買い替える際、ワンサイズ上の製品を選ばないと買い替え後の満足度が下がる傾向にあるという。アスペクト比(4:3と16:9)の違いから、画面の高さが低くなるからだ。

 「画面の高さが低くなると映像が小さくなったような印象になってしまう。例えば21型ブラウン管テレビからの買い替えなら24V型以上の液晶テレビにしないと画面の高さは同等にならない。ワンランクアップがおすすめ」(居石氏)。

会場にはWチューナー搭載の「J10」シリーズや「K20」シリーズなど、40V型以下のラインアップが並べられた

 質疑応答では、1月19日に経済紙が報じた“急激な為替変動による国内テレビ事業の採算性悪化”に関する質問もあった。居石氏は、採算性について直接回答することは避けつつも、「薄型テレビのマーケットはシャープが2001年から切り開いたもの。マーケットがある限り、多くの商品群で守るという強い意志で臨んでいく」と意気込みを語っている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.