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» 2009年04月22日 17時08分 UPDATE

「真のワイヤレスブロードバンドはXGP」 ウィルコム、都内一部で次世代サービス開始

ウィルコムの次世代データ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」のエリア限定サービスが始まる。ライバルのUQはWiMAX試験サービスを既に始めているが、喜久川社長は「真のワイヤレスブロードバンドはXGP」と優位性をアピール。

[ITmedia]

 ウィルコムは4月22日、次世代データ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」のエリア限定サービスを27日に開始すると発表した。まず東京都心に限定し、パートナー企業向けに端末を貸し出す。6月にはモニター数を拡大し、10月予定の本格サービスに備えて検証を進める。同じ2.5GHz帯を利用してKDDI系のUQコミュニケーションズがモバイルWiMAXサービスを一部開始しているが、ウィルコムの喜久川政樹社長は「真のワイヤレスブロードバンドはXGP」と話し、XGPの技術的優位を強調した。

photo XGPエリア限定サービス開始を発表する喜久川社長(右から2人目)ら
photo 当初のサービスエリア

 エリア限定サービスは27日から9月30日までの予定。まず第1段階としてアプリケーション共同実験パートナーなどに専用のデータ通信端末を貸し出すほか、ウィルコム本社でデモ展示を行う。6月予定の第2段階でモニター数を500ユーザーに拡大する計画だ。

 最大通信速度は上り下りとも20Mbps。提供エリアは、丸の内や霞ヶ関などの都心や新宿、渋谷、池袋など山手線内の一部地域。端末はNECインフロンティアとネットインデックスがPCカード型を提供する。

 限定サービスで技術検証やチューニングを行い、10月予定の本格サービスに備える。料金は検討中として明かさなかったが、「現行PHSと比べてものすごく高くするとか、そういうことは考えていない」(喜久川社長)という。

マイクロセル、上下対称な通信速度

 XGPは「Extended Global Platform」の略称(「Next Generation PHS」から変更)で、ウィルコムの次世代サービス「Core」の中核となる通信サービスだ。

 UQが展開するモバイルWiMAXと同じ2.5GHz帯を使用する上、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)や適応変調などの要素技術はXGPとWiMAXで共通している。実際、2社のXGP端末はWiMAXチップセットを活用することで短期間で開発できたという。

 XGPの有利な点としてウィルコムが強調するのは、現行PHSから引き継いだ「マイクロセル」方式だ。

 マイクロセル方式では、1つの基地局のカバー範囲(セル)を狭くして、多数の基地局を敷設することでエリア全体をカバーする。1つの基地局が比較的広いカバー範囲を持つ「マクロセル」方式の携帯電話やWiMAXと比べ、エリア全体をカバーするのに必要な基地局数が増える反面、ユーザーからのアクセスが各基地局に分散することで、アクセス集中時でも通信速度が低下しにくいメリットがある。

 XGPエリア限定サービスに向けて既に100基地局を設置済みで、6月までに数百局に拡大する計画だ。喜久川社長は「マクロセルはアクセス集中による速度低下が弱点だが、マイクロセルは分散によって速度が落ちにくい。『真のワイヤレスブロードバンドはXGP』だと言ってきた一番大きな特長だ」と自信を見せる。

 またXGPは上り下りとも通信速度が同じ(対称)なのも有利だとしている。当初の最大速度は上り下りとも20Mbps。UQのWiMAXは下りが最大40Mbpsなのに対し、上りは最大10Mbpsだ。喜久川社長は「テレビ会議や動画送信など、XGPは上りで強さを発揮する。さまざまな新アプリケーションのインフラになるだろう」と期待する。

 この日、東京の霞が関ビルで開いた発表会でXGPのデモを披露。下り速度の平均18.5Mbpsに対し、上り速度も平均12Mbps程度出ていることを示した。また、会場をHDカメラで撮影した映像をXGPで送信し、これをさらにXGPで受信してライブ表示するデモも実施。上り速度を生かし、フジテレビとニュース映像の送信用回線として活用する実験も予定している。

資金は「現行PHSからのCFで十分可能」

 同社株主の米投資ファンド・Carlyle Groupが増資引き受けを断念したとの報道があったが、喜久川社長は「増資について話をしていたのは事実」としながら、「資金は現行PHS事業によるキャッシュフローで十分可能」としてXGPの事業計画に変更はないとした。過去5年の設備投資額は年間200億〜300億円で、今期も同程度を計画しているという。

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