「CEATEC JAPAN 2009」(千葉・幕張メッセ、10月10日まで)でソニーは、薄くて曲げられる有機ELディスプレイや、「プレイステーション 3」(PS3)を使ったデジタルサイネージを参考出展している。
フレキシブル有機ELディスプレイの試作品は、2.5インチ・厚さ0.2ミリで、曲げても折れたり壊れたりしない。
半導体層の材料に有機物を使った有機薄膜トランジスタ(TFT)を利用。プラスチックなどの薄く柔らかいフィルムの上に直接形成できる。
薄く、軽く、割れにくいことや、たたむなどしてコンパクト化できることがメリットで、ディスプレイ搭載をイメージしたPC「VAIO」や電子書籍リーダー「Reader」、ウォークマンのコンセプトモデルも展示した。
VAIOは薄型でNetbook程度の大きさ。ボディは柔軟なプラスチック製、内側はキーボードレスの全面ディスプレイで、ボディごとぐにゃぐにゃと曲げられる仕様だ。
電子書籍端末「Reader」は表面全体をディスプレイにし、本体にも柔軟なプラスチックを利用。手のひらに収まる程度のサイズでボディが柔らかく、紙の本のように扱える。ウォークマン試作品はアームバンド型で、表面はすべてディスプレイになっている。映像を表示してファッションとしても楽しめるという。
PS3をディスプレイに接続し、映画のトレーラーや宣伝動画を流せるデジタルサイネージも展示していた。ディスプレイの上にビデオカメラを設置。前に立つ人の顔を顔認識技術でとらえ、顔の動きに連動したエフェクトもかけられる。
デモでは、カメラでとらえた人が燃えるディスプレイと、人の顔に水中眼鏡をかけたり、動くと波紋が広がる、水中をイメージしたディスプレイを試せる。
複数台のPS3を同期し、複数のディスプレイをまたいで1つの大きなワイドな映像を表示することも可能。ディスプレイ間の遅延は1フレーム以内に抑えた。
「拡大しているデジタルサイネージ分野で、PS3を使えば何ができるかという技術提案」という。具体的なビジネス展開は未定。「PS3に搭載した顔認識エンジンや高い演算能力を使い、アイキャッチになるような要素を提案したい」としている。
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