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» 2010年03月23日 14時38分 UPDATE

「Webとテレビの融合」失敗の歴史、Google TVは覆せるか

MicrosoftやAppleなど、多数の企業がテレビとWebの融合を目指した製品を投入してきたが、成功には至っていない。Google TVはそのような失敗の歴史から脱することができるだろうか。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 ネット検索やWebアプリをテレビで使えるようにする「Google TV」プロジェクトは、Webテレビプラットフォームへのエキサイティングな新規参入者となるかもしれない。

 あるいは、MicrosoftとAppleに続いて、もっと消費者を獲得したいと渇望している市場に人気のないWebテレビ製品がまた1つ増えるだけかもしれないと業界アナリストは語る。

 Google TVは検索、動画、TwitterなどのWebアプリをセットトップボックス(STB)を通じて、あるいはテレビに直接配信する取り組み。GoogleはIntelのAtomプロセッサとAndroidを搭載したSTBの試作機を作っており、ソニー製テレビでテストを行っている

 同プラットフォームはGoogle Chromeブラウザを使い、ユーザーはデスクトップPCや携帯電話からWebにアクセスするのと同じように、Webや動画を検索できる。Webアプリは、Logitech Internationalの小型キーボード付きリモコンで操作する。

 これらの要素を組み合わせると、YouTubeやTwitterなどのWebアプリにアクセスしたり、Dish Networkの衛星放送を視聴できるメディアプラットフォームが出来上がる。

 だが、Gartnerのアナリスト、バン・ベイカー氏はあまり高く評価していない。同氏はテレビとWebの融合を目指した多くの製品やサービスが失敗するのを見てきた。

 「このビジョンには1つだけ問題がある」とベイカー氏は3月18日に自身のブログで述べている。「消費者がこの種のソリューションを何度も拒んでいるということだ。彼らはインターネットにアクセスするのに最適なプラットフォームを持っている。それはパーソナルコンピュータだ。PCスタイルのアクセスをテレビに持ち込んでも、消費者を引きつけられない」

 ベイカー氏は、カウチポテト族がWebとテレビの融合を望んでいないと言っているわけではない。Netflixの映画やYouTubeの動画を、比較的小さなPCのディスプレイではなく、Web対応のテレビで見ている消費者も多い。

 「動画とニュースや天気予報のような速報性のあるコンテンツを組み合わせ、従来型のリモコンで操作できるようにすれば、パフォーマンスが十分でサービスのレスポンスがよければ消費者に評価される」(同氏)

 だが、そこにキーボードを取り入れれば、PCからのインターネットアクセスのモデルに戻ってしまうことになる。消費者はまだそうしたやり方になじんでいないと同氏は指摘する。Google TVは、そのようなWebとテレビの融合が失敗してきた歴史から抜け出すことができるだろうか?

 それはまだ分からない。Nielsenの最近の調査によると、消費者はテレビを見ながらWebサーフィンするのが好きだという。調査では、テレビ視聴者の約60%が月に1回以上、テレビ視聴と同時にインターネットを利用していることが示された。

 おそらくGoogle TVは、52型のプラズマテレビで、好きなテレビ番組の視聴と、好きなWebアプリへのアクセスをリモコンを使って数クリックで簡単に切り替えられるようなプラットフォームになるだろう。

 そうなればかなり効果的だ。Google TVをサポートするアプリケーションエコシステムも強力なものとなるだろう。同プラットフォームはAndroidを基盤とするため、サードパーティーがテレビ好きの消費者に好まれるようなアプリを構築することは可能だろう。

 Google TVがどのような形になるにせよ、このような製品を魅力的にするには、まったく違ったユーザー体験が必要だという見方にIDCのアナリスト、ハドリー・レイノルズ氏は同意している。

 「今回の発表は、Googleがテレビ広告分野にまで食い込もうとしていることを示しており、インフラを提供して、自社プラットフォーム向けに自身やサードパーティーが開発したアプリケーションから利益を得るという戦略への彼らの熱意を表している」とレイノルズ氏は語る。

 AppleとMicrosoftは以前からこの分野に参入しているが、Google TVは、ユーザーがWeb対応テレビに望んでいた番組とWebアプリの正しい組み合わせを実現するかもしれない。

 「テレビとWebの融合がどのように発展するか、誰も確実にはつかんでいない」(レイノルズ氏)

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